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2026/09/08

株主優待にカタログギフトは向いている?株主構成別の向き・不向きと設計ポイント

株主優待 カタログギフト

株主優待の見直しを進めるなかで、優待品の候補にカタログギフトを検討してはいないでしょうか。

カタログギフトは、株主自身が好きな商品を選べるため、年齢層や居住地などが異なる株主にも対応しやすい選択肢です。一方で、すべての企業に向いているわけではありません。株主構成や優待の目的によっては、自社製品や別の還元方法の方が適している場合もあります。

株主優待は現在も一定の広がりを見せており、野村インベスター・リレーションズ株式会社の調査では、2025年12月末の実施銘柄数は過去最多となりました。その一方で、公平な利益還元を理由に優待を廃止する企業も増えています。優待品を選ぶ際には、単に豪華さや話題性だけではなく、株主にとっての使いやすさや自社の還元方針まで考えることが重要です。

この記事では、株主優待にカタログギフトを採用するメリットや注意点を整理し、どのような株主構成・優待目的に向いているのかを解説します。あわせて、導入時に決めておきたい4つのポイントや、株主総会のお土産への活用方法も紹介します。

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株主優待をカタログギフトにすると、株主に喜ばれるのか

結論から言うと、株主の年齢層や居住地がばらついている企業ほど、カタログギフトは向いていると考えます。受け取る株主が自分で選ぶため、価値を感じる株主と感じない株主の差が出にくいからです。

ただし、これは株主構成や優待の目的によっても変わります。まず、株主優待がいまどう見られているのかを押さえておきましょう。

株主優待の実施銘柄数は過去最多を更新

野村インベスター・リレーションズの調査によると、株主優待の実施銘柄数は2025年12月末日に過去最多の1,657件となりました。全上場銘柄における実施割合も、36.5%と前年の36.0%から上昇しています。

株主優待を実施する企業は、現在も一定の広がりを見せています。

参考:野村インベスター・リレーションズ株式会社「株主優待実施レポート」2025年4月9日

企業が認めている効果は「個人株主の増加」と「長期保有」

日本証券業協会が事務局を務める株主優待の意義に関する研究会は、2025年4月に報告書を公表しました。2024年11月から2025年2月にかけて4回の会合を開き、研究者や有識者、個人投資家の立場からのプレゼンテーションをもとに議論した内容です。

報告書には、株主優待を実施した効果について、次のように記されています。

株主優待を実施した効果として、7割超の企業が「個人株主の増加」を認めており、次いで、「長期保有個人株主の増加」が続く

引用:株主優待の意義に関する研究会「報告書(概要)ー株主優待の意義についてー」2025年4月・事務局:日本証券業協会

つまり優待は、株主を増やすだけでなく、長く持ってもらうための手段として見られています。株主数を伸ばしたいのか、長期保有株主を増やしたいのかによって、優待品に求めるものは変わってきます。

一方で、廃止する企業もある。理由は「公平な利益還元」

同じ報告書には、廃止についての記述もあります。足元では新設が廃止を上回り全体では増加傾向にあるものの、廃止理由として「公平な利益還元」を挙げる企業が増加していると示されています。

これは、優待品を選ぶうえで重要なポイントです。現物やサービスを優待品にすると、株主によって価値の感じ方が変わります。近くに使える店舗がない株主や、その商品を使わない株主にとっては、受け取っても十分に活用できないことがあります。配当のようにすべての株主へ同じ形で還元するわけではないため、株主にとって使いやすい優待になっているかという視点が欠かせません。

優待品を選ぶときの本当の問いは豪華かどうかではなく「株主全員にとって価値があるか」です。

だからカタログギフトが候補になる

カタログギフトなら、受け取った株主が自分で商品を選べます。企業側が全員の好みに合わせて優待品を選ばなくても、価値を感じる株主と感じない株主の差が出にくくなるでしょう。

株主の年齢層、居住地、生活のばらつきが大きいほど、こうした選べる仕組みが活きてきます。

株主が選べる2つの優待を用意した実例

株式会社ナガワ様は、株主優待を従来の金券類からデジタルギフトへ刷新しました。

きっかけは、株主総会で2年連続で寄せられたデジタル化を求める声です。

同社が採用したのは「giftee Box」と「オリジナル優待カタログギフト」の2つから選べる仕組みです。giftee Boxでは1,000種類以上のギフトから、オリジナル優待カタログギフトでは、全国の事業所にまつわるご当地商品から、株主自身が好きなものを選べるものです。

全国に株主がいるなかで、一律の優待品を届けるのではなく、異なる選択肢を用意することで、それぞれの好みやライフスタイルに対応できる設計としています。デジタル化への慎重な意見もあるなか、株主側の選択肢を広げることで、幅広い株主のニーズに応える形を採用しました。

また、同社では優待品の刷新とあわせて、株主を増やす方針から「長期保有株主を増やす」方針へシフト。保有期間が長くなるほど優待額が増える設計も取り入れています。

このように、株主の好みに合わせて選べる仕組みと、長期保有を促す制度を組み合わせている点が、ナガワ様の優待設計の特徴です。

▼この事例の詳細はこちら

金券や現物の優待品で起こりやすい課題

カタログギフトへの変更を考えるなら、優待品そのものだけでなく、現在の運用で感じている負担にも目を向けてみましょう。金券や現物の優待品は、株主にとって分かりやすい一方で

  • 使える場所が限られる

  • 紛失・破損に対応する必要がある

  • 在庫や発送を管理しなければならない

といった負担があります。 

1. 株主にとって使いにくい優待になる

カード型の金券は、導入した時点では使いやすくても、加盟店の状況が変わることで、株主にとって使いにくい優待になることがあります。

せっかく優待を受け取っても、近くに使える店舗がなかったり、普段利用するサービスが対象外だったりすれば、十分に活用してもらえません。特に、株主が全国に分散している企業では、どの地域の株主にも使いやすい優待になっているかを考える必要があります。

2. 紛失・破損や未着への対応が発生する

紙のカードや現物の優待品を郵送する場合、紛失や破損、未着などへの対応も必要になります。例えば「優待品が届いていない」「届いたカードに傷がついている」といった問い合わせがあれば、担当者が個別に対応しなければなりません。

株主数が多くなるほど、一件ごとの対応が積み重なり、担当者の負担も大きくなります。

3. 在庫管理と発送に手間がかかる

現物や金券を配布する場合は、株主数に応じた在庫の確保や保管、発送作業が必要です。株主数が増えれば、それだけ必要な優待品の数も増えます。未使用分を保管しておく場合は、在庫やコストの管理も必要になります。

優待制度は毎年続いていくものだからこそ、こうした作業が継続的な負担になることもあります。

デジタル化で、こうした課題を見直せる

こうした課題の一部は、優待をデジタル化することで見直せます。

株式会社ナガワ様では、従来の紙のカード型優待からデジタルギフトへ変更し、二次元コードを記載した通知書を株主へ送付しています。

デジタルギフトでは、株主がギフトを受け取ったかどうかを企業側で確認できます。そのため、紙のカードのように「送ったものの、株主が受け取ったか分からない」といった状況にも対応しやすくなります。

優待をデジタル化することは、株主にとっての選びやすさだけでなく、企業側の配布・管理の負担を見直すことにもつながります。

では、こうした課題を踏まえたとき、カタログギフトはどのような企業に向いているのでしょうか。次章では、株主構成からカタログギフトの向き・不向きを考えていきます。

株主構成によって変わるカタログギフトの向き・不向き

カタログギフトは、株主自身が好きな商品を選べるため、幅広い株主に対応しやすい優待です。

ただし、すべての企業に適しているわけではありません。株主の年齢層や居住地、個人株主の割合などによって、優待に求められるものは変わります。

自社の株主構成と照らし合わせながら、カタログギフトが向いているかを考えてみましょう。

カタログギフトが向いている企業

株主の年齢層や居住地がばらついている企業では、全員に同じ商品を届けても、価値を感じてもらえるとは限りません。全国に株主がいる企業では、地域によって利用できる店舗やサービスに差が出ることがあります。カタログギフトなら、株主自身が好きな商品を選べます。自分には必要ないというミスマッチを減らしやすいことがメリットです。

また、個人株主が多い企業では、何がもらえるかだけでなく、自分で選べることそのものが優待の魅力になる場合があります。株主一人ひとりの好みに合わせるのが難しい場合も、選択肢を用意することで幅広いニーズに対応しやすくなります。

カタログギフトが向いていない可能性がある企業

株主に自社の商品を知ってもらったり、実際に使ってもらったりすることが優待の目的なら、必ずしもカタログギフトに変更する必要はありません。

自社製品・サービスを優待品にすることそのものに価値があるなら、現物優待のほうが目的に合っているでしょう。

また、株主の属性やニーズが比較的限定されていて、喜ばれる商品を想定しやすい企業なら、特定の商品を優待品にするほうがシンプルな場合もあります。

株主優待のカタログギフトを設計するときの4つのポイント

カタログギフトを採用すると決めたら、次に考えたいのが具体的な設計です。優待額や商品の内容だけでなく、株主の受け取りやすさや、企業側の運用まで考えておくことが大切です。

ここでは、カタログギフトを導入するときに検討したい4つのポイントを紹介します。

1. 保有期間に応じた金額の刻み

優待額を一律にするか、保有期間で変えるかを決めます。

長期保有を促したい場合は、保有期間が長くなるほど優待額を増やすといった設計も考えられます。実際に、株主優待の刷新とあわせて、株主を増やす方針から「長期保有株主を増やす」方針へ転換し、保有期間に応じて優待額を増やした事例もあります。

カタログギフトは金額帯に応じてコースを分けやすいため、保有期間ごとに優待内容を変える設計とも組み合わせやすいでしょう。

2. デジタルに不慣れな株主への配慮

株主層によっては、デジタルでの受け取りに抵抗を感じる方もいます。

その場合は、デジタルに一本化するのではなく、複数の受け取り方法から選べるようにする方法もあります。実際に、デジタルギフトとオリジナルのカタログギフトを選択できるようにすることで、幅広い株主が利用しやすい形にした事例もあります。

デジタルに一本化するか、複数から選べるようにするかは、株主の年齢構成などを踏まえて検討するとよいでしょう。

3. 本人以外が受け取れない仕組み

デジタルで配布する場合、二次元コードやURLが第三者に渡るリスクを考えておく必要があります。

実際の事例では、Auth(配布認証システム)を使ったユニークコード認証を導入し、株主番号と郵便番号を使って対象となる株主がギフトを受け取れる仕組みを採用しています。

株主優待をデジタル化する際は、誰でもギフトを受け取れる状態にならないよう、認証方法についてもあらかじめ確認しておきましょう。

4. 優待内容が変わることの伝え方

優待品を変更するときは、株主への案内が欠かせません。長年同じ優待を受け取ってきた株主にとっては、優待内容の変更は戸惑いや不満につながる可能性があります。

優待内容を変更する場合は、変更点だけでなく、どこからアクセスして、どのようにギフトを受け取るのかまで分かるように案内することが大切です。初めてデジタルギフトを導入する場合は、受け取り方法を丁寧に説明しておくことで、株主が迷いにくくなります。

よくある質問

株主優待をカタログギフトに変更する場合、優待額や商品の選び方だけでなく、株主への案内方法や受け取り方、運用面についても事前に確認しておきたいことがあります。

ここでは、カタログギフトの導入を検討する際によくある疑問について回答します。

Q. デジタルに不慣れな株主にはどう対応すればよいですか?

複数の受け取り方から選べる設計にする方法があります。実際に「giftee Box」と「オリジナル優待カタログギフト」の2つから選べる仕組みを採用した事例もあります。

また、デジタルギフトへ変更する際は、二次元コード付きの優待案内だけでなく、優待内容が変わったことや受け取り方法を説明する案内状を添えるなど、株主が迷わないように配慮することも大切です。

Q. 本人以外が受け取ってしまうことはありませんか?

配布認証システムを利用することで、第三者による受け取りを防ぐ仕組みを設けられます。実際に、株主番号と郵便番号を使って対象となる株主を認証し、ギフトを受け取れる仕組みを導入している企業があります。

デジタルで株主優待を配布する場合は、導入前に認証方法やセキュリティ面を確認しておきましょう。

Q. 保有期間に応じて優待の内容を変えられますか?

変えられます。カタログギフトは金額帯を分けやすいため、保有期間別のコース設定と組み合わせやすい形式です。実際に、保有期間が長くなるほど優待額が増える設計を採用している企業もあります。

Q. 株主数が少なくても導入できますか?

導入できる場合があります。パッケージ型のカタログであれば、1件から納品に対応しているサービスもあります。新規に商品を調達する場合は、ロットに応じて別途費用が発生する場合があります。

まとめ

株主優待にカタログギフトを採用するなら、まずは自社の株主構成や優待の目的に合っているかを考えることが大切です。

カタログギフトは、株主自身が好きな商品を選べるため、年齢層や居住地、ライフスタイルが異なる株主にも対応しやすい選択肢です。一方で、自社製品を知ってもらうことを重視する場合など、現物の優待品のほうが適しているケースもあります。

導入する場合は、デジタルに不慣れな株主への配慮、本人確認の仕組み、優待内容の変更に関する案内など、株主が迷わず利用できる設計を考えておきましょう。

株主にとって何をもらえるかだけでなく「自分にとって価値がある優待か」「無理なく利用できるか」という視点を持つことが、満足度の高い株主優待につながります。

カタログギフトを含め、どのような優待が自社の株主に合っているのかを検討し、株主との長期的な関係づくりにつなげていきましょう。

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▼選ばれるポイント ・ターゲットに合わせて自由なラインナップ設計が可能 ・カタログのWebページやメッセージをカスタマイズできる ・選べる提供スタイル(手渡しできる「カード形式」のほか、「デジタル形式」にも対応)

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