リファラルマーケティングとは?仕組みと成果を分ける設計3原則

新規顧客の獲得に、以前より費用がかかるようになったと感じていませんか。
広告を出せば問い合わせは増えるものの、止めれば集客も止まる。一方で、既存顧客からの紹介で来た顧客は、最初から信頼があり、商談や契約までスムーズに進むことがあります。
こうした紹介を偶然に任せるのではなく、継続的に生み出せる仕組みにする考え方が、リファラルマーケティングです。
リファラルマーケティングとは、既存顧客からの紹介を通じて新規顧客を獲得する手法のこと。紹介者と被紹介者の双方にメリットを用意し、紹介が生まれやすい環境を設計する点に特徴があります。
本記事では、リファラルマーケティングの仕組みや他の手法との違い、選ばれる理由、成果を分ける設計のポイントを解説します。紹介をお願いするものから「仕組みとして育てるもの」へ。その考え方を整理したい方は、ぜひ参考にしてください。
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リファラルマーケティングとは?仕組みと3つの登場人物
リファラルマーケティング(Referral Marketing)とは、既存顧客からの紹介(リファラル)を通じて新しい顧客を獲得するマーケティング手法です。自然発生する紹介を待つのではなく、紹介してくれた人と紹介された人の双方に特典を用意するなど、紹介が起きやすい仕組みを意図的に設計する点が特徴です。
仕組みには3つの登場人物がいます。
登場人物 | すること | 得るもの |
|---|---|---|
紹介者(既存顧客) | 友人・知人にサービスを紹介する | 紹介特典+「良いものを教えた」満足感 |
被紹介者(新規顧客) | 紹介を受けてサービスを利用する | 入会特典+信頼できる人からの情報 |
企業 | 紹介の仕組みと特典を用意する | 質の高い新規顧客+既存顧客の愛着向上 |
この三者がそれぞれ得をする構造が成立して、はじめてリファラルは回り始めます。どれか一者だけが得をする設計は長続きしません。例えば、企業だけが得をして紹介者への見返りが小さい場合や、紹介者だけが報酬目当てで被紹介者にメリットがない場合です。
紹介者・被紹介者・企業の三者すべてにメリットがあること。これがリファラルマーケティングのすべての設計判断の土台になります。
口コミ・アフィリエイト・アンバサダーとの違い
リファラルマーケティングは、似た言葉と混同されやすい手法です。違いを整理しておくと、社内での説明も設計の議論もぶれなくなります。
手法 | 紹介する人 | 動機 | 企業の関与 |
|---|---|---|---|
リファラル | 既存顧客 | 特典+善意 | 仕組みと特典を設計 |
口コミ(バイラル) | 不特定のユーザー | 自発的な共感 | 直接は設計できない |
アフィリエイト | メディア・個人事業者 | 成果報酬(収益) | 広告として契約 |
アンバサダー | 選ばれたファン | ブランドへの愛着+活動支援 | 継続的な関係を構築 |
ここからは、それぞれとの違いを詳しく解説していきます。
口コミとの違い
口コミは自然に生まれるもので、企業が直接コントロールできません。リファラルマーケティングは、そうした紹介に仕組みや特典を組み合わせて、継続的に生まれやすい状態をつくる施策です。口コミを待つのではなく、紹介が起きやすい環境を整える。そこが両者の大きな違いです。
使い分けの目安として、口コミ(UGCの活用やSNSでの話題化)は認知を広げたい段階に、リファラルは「知られているのに新規が増えない」「獲得した顧客の質を上げたい」段階に向いています。両者は競合する手法ではなく、認知から獲得までの流れの中で役割が異なる手法です。
アフィリエイトとの違い
アフィリエイトは、収益を目的とするメディアや個人との広告契約です。紹介する側とされる側に面識はありません。
リファラルは、友人・知人という実際の関係性の上で紹介が行われます。被紹介者は「信頼している人がすすめている」という前提で情報を受け取るため、情報の受け止め方が大きく異なります。
そのため、リファラルでは特典だけで紹介を促すことはできません。まずサービスへの満足があり、その結果として紹介が生まれることが前提になります。
アンバサダーとの違い
アンバサダーマーケティングは、熱量の高い少数のファンと継続的な関係を結び、情報発信や活動を支援してもらう手法です。
一方、リファラルは、特別なファンに限らず、すべての既存顧客が紹介者になり得る広い設計です。ファンとの深い関係づくりを重視するならアンバサダー、多くの顧客から紹介を生み出す仕組みをつくりたいならリファラルが向いています。
違いが整理できたところで、なぜ今リファラルが選ばれているのかを見ていきます。
リファラルマーケティングが選ばれる3つの理由
リファラルマーケティングが多くの企業に選ばれている背景には、従来の広告運用にはない独自の強みがあります。ここでは、本手法が注目される主な3つの理由を解説します。
1.信頼から始まる|広告では作れない初期信頼
人は、企業の広告よりも、知っている人のおすすめを信頼する傾向があります。紹介でサービスを知った人は「信頼している人が使っているもの」という前提でサービスに接するため、ゼロから信頼を積み上げる広告とは、出発点がまったく違います。その結果、比較や検討にかかる負担が小さくなり、商談や契約までスムーズに進みやすくなります。
2.獲得の効率が良い|広告費の構造が変わる
リファラル施策では、紹介が成立したときに特典を付与する形が一般的です。広告のように表示やクリックの段階で費用が発生するのではなく、成果に応じて費用が発生するため、獲得にかかる費用を管理しやすくなります。また、紹介で獲得した顧客が次の紹介者になることで、継続的な獲得につながる可能性もあります。さらに、紹介で入った顧客が次の紹介者になれば、獲得の連鎖が生まれます。
3.定着につながりやすい|紹介した人・された人の双方に効果がある
紹介でサービスを利用した顧客は、自分と似た価値観や課題を持つ人から紹介を受けているため、サービスとの相性が良い傾向があります。さらに、リファラルの効果は新規顧客の獲得だけではありません。人にすすめる行為は、自分の選択をあらためて肯定する機会にもなります。
紹介者にとってもサービスへの愛着や継続利用のきっかけになりやすく、新規獲得と既存顧客の定着を同時に後押しできる点が特徴です。
このような価値がある一方で、特典を用意するだけでは紹介は生まれません。成果を左右するのは、次に紹介する3つの設計原則です。
成果を分ける設計の3原則
リファラルマーケティングの成否は、特典の金額だけで決まるものではありません。紹介が自然に生まれる仕組みであるかどうかが重要です。
うまくいく施策に共通する原則は3つあります。
原則1|「紹介したくなる体験」が先、仕組みは後
大前提として、人は自分が満足していないものを紹介しません。サービスへの満足度が低い段階でリファラル施策を始めても、紹介はなかなか生まれません。無理に紹介を促せば、既存顧客との関係を損ねる可能性もあります。
まず確認したいのは、顧客が人に話したくなる体験があるかどうかです。商品・サービスそのものの満足はもちろん、想像以上に丁寧な対応や気の利いた一言、思わず誰かに教えたくなる工夫があると、紹介のきっかけになりやすくなります。
そうしたポイントは、既存顧客の声から見つけられます。レビューやアンケートで繰り返し評価されている内容や、SNSで自発的に言及されている体験があれば、それは紹介につながる可能性の高い要素です。
紹介施策を考えるときは、まずそのような強みを書き出してみてください。紹介の案内文やキャンペーンの訴求内容も、そこを軸に組み立てると伝わりやすくなります。
反対に、顧客の声の中に共通する評価ポイントが見つからない場合は、リファラルの仕組みづくりより先に、体験そのものの改善に投資するほうが、結果的に近道になります。
リファラルの仕組みは、紹介したい気持ちを後押しするためのものです。紹介したくなる理由そのものを作り出すことはできません。
原則2|特典は「双方に・釣り合う形で」用意する
特典設計の基本は、紹介者と被紹介者の双方に用意することです。紹介者だけに特典があると、被紹介者から「報酬目当てで誘われた」と受け取られる可能性があります。双方に特典があれば、紹介者は「あなたにもメリットがあるから使ってみない?」と声をかけやすくなり、紹介の心理的ハードルが下がります。
特典の形は、自社サービスの割引・ポイント付与がよく使われます。ただし、利用頻度が低い商材では、次回利用時の割引が十分な動機にならないこともあります。その場合は、受け取った人が使い道を選べるギフトのような、自社サービス以外でも価値を感じやすい特典が選択肢になります。
重要なのは特典の金額ではありません。紹介にかかる手間や気持ちに対して、納得感のある内容であるかが大切です。
原則3|紹介の手間を限界まで小さくする
紹介したい気持ちと特典があっても、紹介の手順が面倒だと実行されません。紹介用のURLやコードをすぐ取り出せる、そのままチャットやSNSで送れる、被紹介者も簡単に特典を受け取れる。こうした状態を目指し、紹介までの手間をできるだけ減らすことが重要です。
また、紹介はサービスに満足した直後に起こりやすい傾向があります。そのため、紹介したいと思ったタイミングで紹介手段が目の前にあるかどうかもポイントです。代表的な設置場所としては、次のようなものがあります。
- 購入・契約完了の画面とメール
- アプリ・マイページの目立つ位置
- 店頭での会計時のひと声とカード
- カスタマーサポートの良い対応の後
- 利用開始から一定期間後の御礼メッセージ
まずは1つの接点から始めてみてください。紹介が生まれた経路を記録しながら増やしていくと、自社の顧客がどのような場面で紹介したくなるのかが見えてきます。
これらが揃えば、リファラルは一時的なキャンペーンではなく、継続的な顧客獲得の仕組みとして機能しやすくなります。
リファラルマーケティングの始め方
ここまで紹介した3つの原則を理解したら、次は実際に試してみる段階です。
リファラルは最初から大規模な制度を作る必要はありません。まずは小さく始めながら、自社の顧客や商材に合った形を見つけていくのがおすすめです。
小さく始めるステップ1|既存顧客の満足度を確認する
まずは、既存顧客の中に「人にすすめたい」と感じている人がどの程度いるかを確認します。直近のアンケートやレビューがあれば、その内容を見直してみてください。
紹介施策を始める前に、その人たちが何を評価しているのかを把握しておくことも大切です。繰り返し挙がる評価ポイントは、紹介の案内文やキャンペーンの訴求内容を考える際の材料になります。
反対に、人にすすめたいと感じている顧客がほとんどいない場合は、施策よりも先に商品やサービスの改善を優先したほうがよいでしょう。
小さく始めるステップ2|特典と動線を1パターンだけ作る
最初から全顧客を対象にした制度を作る必要はありません。まずは一部の顧客を対象に、購入完了メールやマイページなど、1つの導線だけで試してみます。あわせて、紹介がどの程度発生したか、特典が利用されたかを記録しておきます。小さく始めることで、運用上の課題や改善点も見つけやすくなります。
特典の配布をデジタルギフトにしておくと、住所の収集や発送が不要になり、小さく試す段階の運用負担を最小にできます。
小さく始めるステップ3|数字を見て広げる
紹介がどこで発生したか、どの特典が利用されたかを確認しながら、導線や特典内容を調整していきます。効果が見えてきたら、対象顧客や導線を少しずつ広げていきましょう。
なお、対象者が増えると、誰が誰を紹介したのか、特典が正しく付与されているかといった管理が手作業では難しくなることがあります。その段階で、専用ツールやシステム化の検討が現実的になります。
紹介キャンペーンの運用方法や実施手順、特典設計の考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
注意点|景品表示法とステマ規制
紹介特典を設計する際は、法規制への配慮も欠かせません。
まず確認したいのが景品表示法です。特典の内容や提供方法によっては、景品類の規制対象となる可能性があります。企画段階で条件を確認しておくと安心です。
もう1つが、ステルスマーケティング規制です。特典を受け取った顧客がSNSなどで紹介する場合は、紹介プログラムへの参加や特典の受領が分かる形で発信してもらうことが求められます。
それぞれについては以下記事でも紹介していますので、参考にしてください。
いずれも、紹介の信頼性を保ちながら施策を運用するために押さえておきたいポイントです。不明な点がある場合は、専門家への確認も検討してください。
リファラルマーケティングのよくある質問
ここではリファラルマーケティングについて、よくある質問をFAQ形式でまとめています。企画を検討している方はぜひお役立てください。
Q.BtoBでもリファラルマーケティングはできますか?
できます。むしろBtoBは同業の信頼できる人からの紹介が意思決定に占める比重が大きい領域です。ただしBtoCのような特典型より、紹介用の説明資料を渡す・ユーザー会で横のつながりを作る・紹介への丁寧な御礼といった紹介しやすい状態をつくる施策が中心になります。金銭的な特典は、相手企業の規定や商慣習への配慮が必要です。
Q.顧客に紹介をお願いするのは、図々しくないでしょうか?
満足している顧客にとって、良いものを人に教えることは負担ではなく、むしろ嬉しい行為です。気が引けるとしたら、それは満足していない顧客にまでお願いしてしまう設計のほうです。
全顧客への一斉案内ではなく、高い評価をくれた顧客・長く使ってくれている顧客から案内を始めると、お願いではなくあなたの『良い』を、よければ周りにもという自然な声かけになります。
Q.効果はどうやって測ればいいですか?
基本の指標は、紹介の発生数(紹介URLの発行・送付数)、紹介経由の新規獲得数、特典の受け取り率の3つです。あわせて、紹介経由で入った顧客のその後の定着率を通常獲得と比べると、リファラルの質の高さを社内に示せます。業界の標準値はないため、小さく始めた時点の数字を基準に、自社の前回比で改善していくのが実務的です。
まとめ|リファラルは紹介が生まれる仕組みをつくること
リファラルマーケティングは、既存顧客からの紹介を通じて新規顧客を獲得する仕組みです。単に「紹介してください」とお願いすることではありません。紹介者・被紹介者・企業の三者にメリットがある状態をつくり、紹介が自然に生まれやすい環境を整えることにあります。
また、特典を用意するだけで紹介が増えるわけでもありません。顧客が人に話したくなる体験があり、その体験を後押しする特典と動線が揃ってはじめて、リファラルは機能します。
まずは、自社の商品やサービスに「人にすすめたくなる理由」があるかを確認してみてください。その上で、小さな範囲から紹介施策を試し、顧客の反応を見ながら育てていくことが成功への近道です。
紹介は偶然に任せるものではなく、設計できるものです。新規顧客の獲得方法を見直したいと考えているなら、リファラルマーケティングも選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
友達紹介キャンペーンの運用を効率化したいご担当者様へ
こんなお悩みはありませんか? ・友達紹介キャンペーンを実施したいが、設計や運用方法がよくわからない ・紹介者と被紹介者の特定・管理、インセンティブの付与などの作業が大変で、運用の手間を削減したい ・システム開発コストを抑えながら、効率的にキャンペーンを運営したい
友達紹介キャンペーンでは、口コミを生む設計だけでなく、紹介者・被紹介者の管理やインセンティブ付与をいかにスムーズに行えるかが、施策の成果を左右します。これらを手作業や個別対応で行うと、運用負荷や管理ミスが課題になりがちです。
そこで累計導入件数7万件以上、法人向けデジタルギフト導入実績No.1のgiftee for Businessでは、友達紹介キャンペーンの運用を自動化できる「Referral(友達紹介システム)」を提供しています。これにより、紹介の判定からインセンティブ付与までを効率化し、開発コストを抑えながら施策を運営することが可能となります。
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