レシートキャンペーンとは？効果的な企画方法と活用シーンを紹介

レシートキャンペーンは、購入後のレシートを活用して参加できるプロモーション手法で、近年は多くの企業が導入を進め、マーケティング施策の一つとして定着しつつあります。参加のしやすさから消費者に受け入れられやすく、企業にとっては売上向上や新規顧客の獲得に加え、購買データの活用による分析メリットも得られる点が特長です。

最近では、応募者への特典としてデジタルギフトを活用するケースも増えています。ギフトを即時に付与 できるため参加意欲が高まりやすく、満足度の向上やSNSでの拡散にもつながります。

本記事では、レシートキャンペーンの基本的な仕組みから導入メリット、デジタルギフトをインセンティブに活用した最新の事例、そして実施時に押さえておきたいポイントまでを分かりやすく整理しました。企画立案や提案にすぐ役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

レシートキャンペーンの仕組みとは？

レシートキャンペーンは、商品購入時に発行されるレシートを示すことでキャンペーンに参加できる販促施策です。消費者はレシートを撮影・アップロードしたり、必要な情報を入力したりすることで、抽選やポイント付与、ギフトの受け取りなどの特典を得ることができます。

このキャンペーンの最大の特徴は、「購入後」に実施されるという点です。これにより、見込み客ではなく、実際に購入した顧客を対象に施策を行えるため、精度の高いマーケティングが可能になります。

レシートには商品名・金額・店舗・日時といった詳細な購買データが含まれるため、キャンペーン参加の条件としてユーザー属性をヒアリングし、その結果と突き合わせることで「誰が・いつ・どこで・何を買ったか」という詳細な顧客の行動データを取得できます。

デジタル化で進化するレシートキャンペーン

従来のレシートキャンペーンは、応募者がレシートを郵送で送付し、企業側が手作業で確認するのが一般的でした。そのため、応募の手間や確認作業の負荷が大きく、効率面での課題が少なくありませんでした。

現在は、OCR（光学文字認識）技術の進歩によって、レシートをスマホで撮影するだけで簡単に応募でき、企業側もシステムによる自動チェックで不正応募を防止しながら効率的に運営できるようになりました。これにより、利用者の参加ハードルを下げつつ、企業にとっては運営負担を大幅に軽減することが可能になっています。

さらに、特典をデジタルギフトにすることで、応募者にすぐに景品を渡せるようになり、参加率や満足度の向上にもつながっています。

レシートキャンペーンがもたらす効果

レシートキャンペーンの実施によって期待できる効果は、大きく次の4点です。

レシートキャンペーンは、単なる短期的な売上アップだけでなく、中長期の事業成長につながる多面的な効果をもたらします。ここからは、その代表的なポイントを順に見ていきましょう。

売上とリピート購入率の向上

レシートキャンペーンの実施期間中は「購入すれば特典がもらえる」という明確な動機付けがあるため、通常時と比べて購買回数が伸びるケースもあります。特に日用品や飲料のように購入頻度が高い商品では、まとめ買いやブランドスイッチが起こりやすく、短期的な売上を確実に押し上げられます。

さらに定期的にキャンペーンを展開することで、顧客の購買行動が習慣化し、結果として長期的なリピート購入率の向上に結びつきます。

Web広告のROI向上にもつながる

レシートキャンペーンは「購入後」が起点となるため、参加者はすでに購買行動を起こした人々です。そこから得られる購買データを基に広告出稿を行えば、費用対効果の高い施策が可能になります。たとえば、データから商品購入層のボリュームゾーンが「20代女性 × コンビニでの飲料購入者」であるとわかれば、出稿条件をその層に絞り込むことで、より高精度なターゲティング広告を展開できます。

顧客データの取得と活用

レシートから得られるのは単なる応募情報ではなく、実購買に基づく一次データです。購買商品、購入金額、店舗、日時といった具体的な行動履歴をもとにすれば、クロスセル・アップセルの戦略立案に直結します。

たとえば「A商品購入者はB商品も同時に買う傾向がある」といったインサイトを発見し、販促企画や棚割りに反映できるでしょう。これらのデータは将来的にCDP（顧客データプラットフォーム）との連携資産にもなり、キャンペーン単発の枠を超えて中長期の事業成長に寄与します。

デジタルギフトによる即時性と拡散効果

従来の景品発送では「応募→当選→数週間後に届く」というタイムラグが課題でした。デジタルギフトなら応募後すぐに特典を受け取れるため、体験価値が飛躍的に向上します。

この即時性が参加率を押し上げるだけでなく、「その場でもらえた」という驚きがSNS投稿や口コミを誘発し、二次拡散効果をもたらします。特にコンビニの商品やキャッシュレス決済サービスのポイントは利用シーンが広く、幅広いターゲット層に刺さるため、キャンペーン成果をさらに最大化できます。

効果別に見るレシートキャンペーンの種類と活用シーン

レシートキャンペーンは、目的に応じて多彩な設計が可能です。ここでは代表的な3つのタイプと、それぞれが発揮されやすい活用シーンを紹介します。

売上促進を重視するなら：抽選型キャンペーン

抽選型は、商品購入時に発行されるレシートを示すことでキャンペーンに参加でき、 当選したら特典がもらえる、という最も一般的なスタイルです。「当たるかもしれない」というワクワク感が購買意欲を刺激し、短期間で売上アップにつなげられるのが特徴です。

また、賞品の設定次第でキャンペーンの印象は大きく変わります。高額賞品を目玉に据えて話題性を高めたり、比較的低単価の賞品を多数用意して“当たりやすさ”を打ち出したりと、ブランド戦略に応じて柔軟に演出できます。

▼抽選型キャンペーンの事例はこちら

三井不動産商業マネジメント株式会社様 - 来店来場促進施策の導入事例 | giftee for Business - 法人向けデジタルギフト導入実績No.1三井不動産商業マネジメント株式会社様の「 シンプルな応募フローで、店舗側の運用負荷を上げずに来店促進施策を実施」についての導入事例をご紹介します。https://giftee.biz/cases/lalaport-shonanhiratsuka/

顧客の囲い込みを重視するなら：ポイント還元型

購入金額に応じてポイントを付与する形式で、参加者全員が必ずメリットを得られるのが魅力です。「買えば確実に得をする」という安心感が、継続的な購買を促します。

さらに、ポイントは自社商品の購入に使えるだけでなく、デジタルギフトやクーポンと交換できるようにしておくことで、参加者の満足度向上につながるでしょう。

ブランド体験を重視するなら：体験・サンプリング型

景品として商品サンプルや限定体験を提供する形式です。実際に使ったり体験したりすることで、ブランドに対する理解が深まり、購入へのハードルが下がります。

特に高単価の商品や新ブランドの導入期では「まず体験してもらう」ことが信頼につながるため、後のファンづくりにも効果的です。体験イベントやオンライン体験コンテンツと組み合わせれば、ブランドストーリーをより深く理解してもらえるでしょう。

レシートキャンペーン成功のための重要ポイント

レシートキャンペーンを成功させるためには、戦略を立てましょう。

企画から運用までをきちんと戦略立てられているか否かで、参加率や成果に大きな差が生まれます。ここでは特に重要なポイントを整理します。

キャンペーン設計のポイント

まず欠かせないのが、明確な目標設定です。売上や新規顧客の獲得数などの数値目標に加え、ブランド認知や顧客体験の向上といった定性的な目標も組み合わせて設定しましょう。あわせてターゲット層を細かく定義し、成果をどう測るか（KPI）を明確にしておくことで、実施後の検証や改善がスムーズになります。

次に重要なのが、景品設計です。参加率を左右する要素なので、ターゲットの生活シーンに合った景品を選びましょう。自社商品やサービスと関連性を持たせるとブランド理解を深められますし、限定感を演出すれば参加意欲を一層高められます。さらに、当選者が好きなものと選べるタイプのデジタルギフトを景品にすれば、幅広い選択肢と即時性を提供でき、顧客満足度も高まります。

そして忘れてはいけないのが、応募のしやすさです。複雑な応募フローは離脱につながります。直感的でわかりやすいUI/UXを設計し、特にスマートフォンでの操作性を最優先にしましょう。Webサイト・アプリ・LINEなど複数のチャネルを用意することも有効です。もしエラーが発生した際には、参加者自身で解決できるよう分かりやすいメッセージで誘導することも忘れてはいけません。

キャンペーン設計についての詳しい解説は、以下の関連記事をご参照ください。企画の進め方を7つのステップに分け、わかりやすく解説しています。

キャンペーン企画の進め方を7STEPで解説！景品の種類や成功事例も紹介 | giftee for Business - 法人向けデジタルギフト導入実績No.1キャンペーンの企画の進め方が分からないという方に向けて、企画の手順を7STEPで解説しています。また、キャンペーンや景品の種類についても詳しく紹介していますので、これからキャンペーンの企画を行う方は、ぜひ参考にしてください。https://giftee.biz/columns/campaignplanning/

効果的なプロモーション戦略

良いキャンペーンも、知られなければ成果につながりません。成功の鍵は、告知の設計にあります。

店頭では目を引くポスターやPOP、レジ周りでの案内など「目に留まりやすい仕掛け」を整えることが効果的です。デジタル面では公式SNS、リターゲティング広告、メール配信などを組み合わせ、複数チャネルで認知を広げましょう。

特に重要なのは、一貫性のあるクリエイティブです。すべてのチャネルで統一されたビジュアルやキャッチコピーを使うことで、顧客にわかりやすいメッセージを届けられます。「参加すればどんなメリットがあるのか」をシンプルに伝えることが肝心です。

円滑な運営にはツールの活用もおすすめ

レシートキャンペーンは、企画から告知、応募受付、抽選、景品配布、効果測定まで多くの工程が絡み合うため、運営負荷が想像以上に大きくなります。特に、応募データの確認や景品発送、不正防止といった実務は専門的なノウハウが必要で、社内だけで対応しようとすると工数が膨らみがちです。

こうした課題を解決する手段として、包括的なキャンペーン支援ツールの活用が有効です。システム構築や応募データの自動処理、景品の調達・配布まで一括して任せられるため、担当者は本来注力すべき「企画・戦略設計」にリソースを集中できます。

特にデジタルギフトの自動付与機能もついたツールを利用すれば、

• 即時配布が可能で、参加者体験を大きく向上できる

• レシート判定から抽選、ギフト付与までを自動化できる上、デジタルギフトのため、在庫管理も不要。 そのため、運営コストやリスクを最小化できる

といったメリットがあります。参加者にとって魅力的でストレスのない体験を提供できることはもちろん、企業側にとっても効率的でスケーラブルな運営を実現できる点が大きな魅力です。

レシートキャンペーン導入時の注意点と対策

レシートキャンペーンは魅力的な施策ですが、成功させるためには事前に潜在的なリスクを把握し、確実な対策を講じておくことが不可欠です。ここでは特に重要なポイントを整理します。

よくある不正行為と対策

レシートキャンペーンでは、以下のような不正行為が発生する可能性があります。

• 同じレシートを使った複数回応募

• レシートの偽造・改ざん

• 他人のレシートの無断使用

• システムの脆弱性を狙った自動応募

これらの不正は、正規の参加者の体験を損ねるだけでなく、予算超過や企業ブランドの信頼を損なう恐れがあります。対策は技術と運用の両面からアプローチすることが必要です。

法的対応とコンプライアンス

キャンペーンは必ず法律に則って設計する必要があります。特に重要なのが景品表示法です。

景品表示法とは、不当景品類及び不当表示防止法の略称で、一般消費者の利益の保護を目的に、商品・サービスの品質、内容、価格、取引条件などを偽って不当に表示することを規制したり、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限したりする法律です。

景品表示法に基づく景品規制の対象となるのは、商品・サービスを購入・利用する場合に応募できる「クローズド懸賞」であり、提供できる景品類の限度額等が定められています。

限度額や限度額が定められている詳細な条件等については、以下の関連記事で解説しています。ぜひあわせてご参照ください。

景表法をわかりやすく解説！キャンペーンで失敗しないため、景品額の上限や表示規制のポイントなどを網羅 | giftee for Business - 法人向けデジタルギフト導入実績No.1プレゼントキャンペーンや抽選イベントの際に使用する景品は、「景品表示法（景表法）」によって制限を受ける場合があります。本記事では、景表法の概要をはじめ、景表法の対象となる懸賞の種類、使用できる景品の金額の上限などについて解説します。https://giftee.biz/columns/keihyoho/

また、個人情報保護法への対応も欠かせません。参加者から個人情報を取得する際には、プライバシーポリシーを明確に記載し、取得目的を明示した上で同意を得る必要があります。適切なセキュリティ対策を実施し、情報の保存期間や廃棄方法も明確に定めておかなければなりません。

運用体制とサポート準備

円滑なキャンペーン運用のためには、適切な体制を整えることが不可欠です。キャンペーンの企画・進行管理、システム運用・技術サポート、顧客対応、不正監視・セキュリティといった役割を担えるチームを社内外で構築しておくことが望ましいです。特に、システムベンダー、コールセンター、景品発送業者、法務専門家といった外部パートナーとの連携を整えておくと、トラブル発生時にも迅速に対応できます。

また、FAQや対応マニュアルをあらかじめ用意しておくことも大切です。「レシートのアップロード方法がわからない」「当選結果はいつ発表される？」「景品はいつ届く？」といった、よくある質問に対する回答を準備しておきましょう。

レシートキャンペーンの景品にデジタルギフトを活用した企業事例

レシートキャンペーンで来店促進と運用負荷軽減を両立した事例

三井不動産商業マネジメント株式会社様では、施設リニューアルを控え、来館頻度を高めながら顧客の離反を防ぐことが課題でした。従来の「お買物券キャッシュバック」とは異なる新しい手法を模索し、店舗側に負担をかけず長期的に運用できる施策が求められていたのです。

そこで実施されたのが、レシートマイレージキャンペーンです。1会計1,000円（税込）以上のレシートを撮影・投稿すると、購入金額に応じてポイントが蓄積され、館内で利用できるお買物・お食事券が当たる抽選に応募できる仕組みとしました。さらに、対象店舗を含む2店舗以上のレシートをアップした方には「giftee Cafe Box（※）」500円分が当たるWチャンスを用意し、館内の回遊促進にもつなげています。

デジタル施策に慣れてはいませんでしたが、実施後は参加数が安定し、大きな問い合わせもなくスムーズに運営することができました。その結果、リニューアル時期に懸念されていた顧客離反を防ぎ、来館促進と運用効率化の両立を実現しています。

▼この事例の詳細はこちら 

三井不動産商業マネジメント株式会社様 - 来店来場促進施策の導入事例 | giftee for Business - 法人向けデジタルギフト導入実績No.1三井不動産商業マネジメント株式会社様の「 シンプルな応募フローで、店舗側の運用負荷を上げずに来店促進施策を実施」についての導入事例をご紹介します。https://giftee.biz/cases/lalaport-shonanhiratsuka/

Webポイントカード制で応募数200%UPを実現した事例

太陽石油株式会社様では、新規顧客の獲得や既存顧客の固定化、ブランド認知の向上を目的に、レシートキャンペーンを導入しました。背景には、POSシステムが店舗ごとに統一されておらず、従来の施策では企画に制約があったという課題がありました。

そこで実施されたのが、対象油種を給油した顧客を対象にしたレシートマイレージキャンペーンです。抽選で合計3,399名にデジタルギフトが当たる仕組みを用意し、キャンペーン参加を促進しました。

ギフティの「giftee マイレージシステム」を活用することで、AIが異なるタイプのレシートを自動で判定。複数店舗をまたいだキャンペーン展開が可能になり、ポイント付与から抽選、ギフト送付までをリアルタイムに自動化することで、効率的な運営を実現しました。

その結果、応募数は前回実施時の200％に到達。さらに、参加者の一定数が期間中に店舗を再訪し、顧客の固定化にもつながりました。

▼この事例の詳細はこちら

太陽石油株式会社様 - レシートマイレージキャンペーンの導入事例 | giftee for Business - 法人向けデジタルギフト導入実績No.1太陽石油株式会社様の「Webポイントカード制の導入で応募数が前回比200%UPを達成」についての導入事例をご紹介します。https://giftee.biz/cases/taiyooil/

まとめ｜レシートキャンペーン成功の鍵は効果的な設計と継続的な改善

レシートキャンペーンは、「購入」という確かな行動を起点にできる点で、従来のプロモーションとは一線を画す施策です。売上拡大や新規顧客獲得だけでなく、リピート率向上やブランド認知、さらには購買データ活用による長期的な戦略設計にもつながる、汎用性の高いマーケティング手法といえます。

デジタル化が進んだ今、OCRによる判定やデジタルギフトの即時配布によって、消費者にとっては手軽で楽しい体験を、企業にとっては効率的で拡張性のある仕組みを実現できるようになりました。一方で、不正防止や法令遵守、運用体制の整備が必要です。

そこで鍵となるのが、適切なツールとパートナーの活用です。システムに任せられる部分は任せ、担当者は企画や戦略に集中する。これが、キャンペーンを継続的に成功させるための最短ルートといえるでしょう。

レシートキャンペーンは今後さらに進化し、企業と消費者をつなぐ強力なタッチポイントになっていくはずです。ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、自社に最適なキャンペーン設計に挑戦してみてください。