Xキャンペーンとは?拡散力を最大化する企画設計と運用のコツ

X(旧Twitter)は、キャンペーン訴求において依然として有効なチャネルです。適切な企画設計によりフォロワー数の増加やブランド認知度の向上、ユーザーエンゲージメントの強化など、多様な成果を期待できます。そして、これらの成果を効率的に上げるためには、目的に合わせた施策設計が重要です。本記事では、Xキャンペーンをこれから始める方に向けて、キャンペーン設計のポイントを解説します。
Xキャンペーンとは?
Xキャンペーンとは「フォロー&リポスト」や「フォロー&いいね」「フォロー&ハッシュタグ投稿」など、ユーザーに具体的なアクションを促し、結果、企業がフォロワーを獲得したり、認知拡大、会員数増加などにつなげられたりするマーケティング施策です。

キャンペーンには「後日抽選型」と「即時抽選型(インスタントウィン)」があり、後者の場合、抽選ツール(※)が必要となってくるのでご注意ください。
※抽選ツールの詳しい内容を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
SNSプラットフォーム全体から見るXキャンペーンの位置づけ
総務省の「令和6年版 情報通信白書」によると、SNSの利用者は増加傾向にあり、2028年には日本のSNS利用者は1億1,300万人以上に増加すると予測されています。そのため、SNSで実施するキャンペーンの重要度は年々高くなっているといえるでしょう。

※引用:令和6年版 情報通信白書|総務省
次にXのSNSとしての特徴を整理しておきましょう。
- 主なユーザーは10〜40代
- 男女の割合は「5:5」
- 拡散力が高い
1.主なユーザーは10〜40代
Xは案外若年層だけでなく、さらに上の年齢層の方々も見ているSNSなので、幅広い層へのリーチが可能となります。
2.男女の割合は「5:5」
これも実は、Xの男女比は半々で、男性向け商品、女性向け商品関係なく、幅広い商品・サービスのキャンペーンが行える環境といえます。

3.拡散力が高い
Xは、リポスト機能による拡散力の高さが最大の特徴です。
投稿を見たユーザーがリポストボタンを押すだけで、フォロワーのタイムラインにも投稿が表示されます。リポストしたユーザーのフォロワーがさらにリポストをして、その連鎖が起きれば、多くのインプレッション数を獲得することができるため、認知拡大につながりやすいでしょう。
このようなXのSNSの特徴を他のSNSと比較しながらさらに詳しく知りたい方は、「SNSキャンペーンとは?各プラットフォーム別の特徴と参考にすべき成功事例を紹介」にて、プラットフォーム別の特徴と成功事例について解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
Xキャンペーン成功の秘訣は「目的」
Xキャンペーンは自由度が高く、その目的に応じて施策を精緻に設計する必要があります。しかし、初めてキャンペーンを実施される方にとっては「どのように設計すれば良いかわからない」と迷ってしまうことが多いでしょう。
実は、Xキャンペーンには目的に合わせて企画の「型」が存在します。そして、施策の成果を効率的に上げるためには、次の2つのステップを意識することをお勧めします。
Xキャンペーンの目的を定める
目的に合わせた適切な「型」で施策を設計する
では、それぞれのステップについて、詳しく説明しましょう。
ステップ1 キャンペーンの目的を定めよう
Xキャンペーンの目的はさまざま存在しますが、今回はよく耳にする、次の5つの目的を紹介します。
- フォロワー獲得
- 認知拡大
- アプリユーザー/会員獲得
- CV促進/滞在時間増加
- エンゲージメント強化

(1)フォロワー獲得
「フォロワー獲得」は、SNSマーケティングを始めた企業の方にとっては最初の目的になり得るでしょう。
フォロワーが増えることで、自社の投稿がより多くのユーザーのタイムラインに表示されるようになります。さらに、フォロワーが「いいね」やリポストをすると、そのフォロワーのフォロワーにも情報が広がります。その点でも、フォロワーの増加は、情報拡散において大きなメリットをもたらします。
(2)認知拡大
「フォロワー獲得」と並んで最初の目的に挙がることが多いのが「認知拡大」です。
そもそもXの特徴は、その高い拡散性にあります。前述の通り、フォロワーが「いいね」やリポストをすることで、フォロワー以外のタイムラインにも情報が流れ、結果、より拡散されるアルゴリズムです。
さらに、ユーザーからユーザーへの口コミ情報は一般的に、企業やブランドが発信する広告などよりも親近感や好感度を得られやすいため、ブランドイメージの向上にもつながります。
(3)アプリユーザー/会員獲得
続いて、「アプリユーザーや会員の獲得」です。認知が拡大できたら、次は自社アプリのダウンロードや会員の獲得が目的になることが多いです。
なぜなら、アプリユーザーや会員になってもらうことで、キャンペーン終了後もユーザーと継続的に接触ができ、エンゲージメントを深めることができるからです。
(4)CV促進/滞在時間増加
せっかくキャンペーンを実施するのであれば、CVや滞在時間の増加も狙いたいと考える担当者は多いでしょう。各企業の課題によっては、アプリユーザーや会員の獲得だけでなく、「自社サイトの滞在時間を伸ばしたい」「商品詳細ページの閲覧数を伸ばしたい」あるいは「問い合わせフォームに遷移させたい」など、さまざまな目的があります。それも、やり方次第でXキャンペーンで達成が可能です。
(5)エンゲージメント強化
今までは「フォロワー獲得」や「認知拡大」といった目的でのXキャンペーンが多かった印象ですが、近年では「エンゲージメント強化」を目的としたケースも増えているようです。
なぜなら、日本の市場縮小といった背景から、一度のキャンペーンでユーザーとの関係を終わらすのではなく、中長期的な視点で関係を維持することがより重要になっているからです。このエンゲージメント強化も、施策の設計次第でXキャンペーンで達成できます。
読者の皆さんは、どの目的が自社の施策に最も当てはまりそうか、イメージはわきましたでしょうか。では、次のステップとして、目的ごとに異なるXキャンペーンの型について説明しましょう。
ステップ2 目的別に正しい型を選ぼう
Xキャンペーンの目的が明確になった後は、それぞれの目的に応じて企画の型を理解しましょう。
(1)フォロワー獲得
「フォロワー獲得」が目的の場合、最もオーソドックスな「基本形式」で、その目的達成が可能です。
「基本形式」は、アカウント1つにつき、期間中1回のみ参加が可能なキャンペーン形式です。フォロワー獲得のみが目的であれば、基本形式でも十分、目標を達成でき、かつコストも抑えられるでしょう。

(2)認知拡大
「認知拡大」が目的であれば、「毎日参加形式」がその実現には最適です。
「毎日参加形式」では、ユーザーは期間中、毎日“1回”の参加が可能です。「基本形式」よりも比較的費用がかかるのが一般的ですが「認知拡大(=タイムライン上での露出を増やしたい)」が目的であれば、毎日参加形式の方がお勧めです。なぜなら、毎日参加形式であれば、同一ユーザーが繰り返しリポストやハッシュタグ投稿をすることになり、1ユーザーあたりの拡散効果がより高まるからです。

(3)アプリユーザー/会員獲得
自社アプリもしくは会員システムを持っていて、そのダウンロード/会員獲得が目的であれば、次の方法を試してください。
まず、キャンペーン参加の条件に「ダウンロードもしくは会員登録」を設定。さらに、キャンペーン告知ポストに、アプリストアや会員登録のページのURLを貼っておくのです。そして、アプリ/会員ページ内で初めてキャンペーン参加URLにタップできるようにすることで、結果、アプリ会員を増やす型にできます。
ただし、こうした型構築には、ユーザーにブラウザに遷移してもらって抽選を行う「ブラウザ遷移型のインスタントウィン」が前提となります。抽選ツールを選ぶ際は、この点にもご注意ください。
なお、ブラウザ遷移型以外に、X上でリプライによって抽選結果を通知する「リプライ型インスタントウィン」も存在します。リプライ型は画面遷移がなく、X上で完結するため、ユーザーに気軽に参加してもらえやすい一方、上述のアプリ/会員獲得目的の型のキャンペーンは実施できません。双方のメリット・デメリットを踏まえ、ご検討ください。

インスタントウィンとは
インスタントウィンとは、ユーザーが応募したその場で抽選結果がわかる「即時抽選型キャンペーン」のことです。ユーザーにとって「その場で結果がわかる」というメリットは、参加意欲を大きく高める要素になります。
また、インスタントウィンは単に抽選結果が即時にわかるだけでなく、ユーザーが行動を起こした直後に報酬を得られることで、心理的な満足度も高まります。これにより初回利用のハードルを下げるだけでなく、継続的な利用も促進できるのです。
さらに詳しく知りたい方は、別記事 「インスタントウィンの仕組みとは?メリット、実施手順、9つの事例を解説 」にて、メリットや具体的な実施方法、インスタントウィンに活用できるツールについて解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
(4)CV促進/滞在時間増加
「アプリインストール/会員登録」以外にも「ユーザーの滞在時間を増やしたい」といった目的がある場合も、型は③と同様です。
まず、キャンペーン参加の条件を目的に合ったものにします。そして、その条件を達成したユーザーにのみキャンペーンURLが表示されるようにすることで、目的を達成できます。
その場合も「ブラウザ遷移型の抽選ツール」が必要になりますので、お気をつけください。

(5)エンゲージメント強化への対応
次に、エンゲージメント強化を目的としたXキャンペーンを行う際には、「形式」や「URLの設置箇所」よりも、インセンティブに工夫を凝らすことが効果的です。
たとえば、自社にIPコンテンツがある場合、そのキャラクターのグッズなどをインセンティブにすると良いでしょう。もしIPコンテンツがない場合でも、レジャー体験やエステ、レストランといった体験型ギフトなど、ユーザーが心から欲しいと思うものやサービスや企画にあったインセンティブを用意することが大切です。これにより、ユーザーエンゲージメントが高まり、自社やブランドのファンを増やすことができるでしょう。

Xキャンペーン実施前に景品表示法を確認!
Xキャンペーンを成功させるためには、施策の設計だけでなく法令遵守も欠かせません。特に景品表示法(景表法)はプロモーション施策に関わる重要な法律であり、違反した場合は企業イメージの低下だけでなく、罰則が課されます。
Xキャンペーンが景表法の対象となるかどうかは、キャンペーンの内容によって異なります。たとえば「フォロー&リポスト」のような誰でも参加できるシンプルなXキャンペーンは、原則として景表法の規制対象外となりますが、商品購入を条件にした場合は「一般懸賞」として景品額に上限があります。
また、店舗来店が条件のキャンペーンも規制対象となる可能性が高いため、キャンペーン設計時には慎重な確認が必要です。
さらに詳しく知りたい方は、別記事 「景表法とは? プレゼントキャンペーン担当者が知っておきたい「景品表示法(景表法)」をわかりやすく解説」 にて、景表法の対象となる懸賞の種類、使用できる景品の金額の上限などについて解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
ターゲットに響く効果的な景品選定のポイント
施策の型が決まったら、次に重要なのが「景品選び」です。どんな景品を設定するかによって、参加意欲や拡散力が大きく異なります。ここではターゲットに響く景品選定のポイントを紹介します。
キャンペーンの景品は、キャンペーンそのものの成功を左右する重要なポイントです。しかし、金券・グルメ・家電など景品にできるものはさまざまあり、「どれを選ぶべきか……」と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
よく活用されるのは、金券、食品・グルメ、生活家電、美容家電、選べる形式のギフトです。中でも利便性と拡散力の両面から注目されているのが、ギフトカードやデジタルギフトです。
商品券をより便利なカード型にしたギフトカードは、指定店舗やオンラインショップでの支払いに利用できます。代表例として、VisaギフトカードやQUOカード、Amazonギフトカード、ミスタードーナツカードなどが挙げられます。
さらに近年では、複数のポイントや電子マネーから受け取った人が好きなブランド(AmazonポイントやPayPayなど)を選べる形式のデジタルギフトも普及しています。受け取った人が普段から使う電子マネーに交換できるため、参加者にとって魅力的な景品となります。
さらに詳しく知りたい方は、「キャンペーンで人気の景品14選!応募率を劇的に上げる選び方のポイントも解説」にて、具体的な景品の種類と選定ノウハウについて解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
Amazonギフトカード
Amazonギフトカードは、Amazonでの商品購入に利用できるカードです。生活必需品から趣味のものまで、幅広い商品が対象です。Amazon Prime会員費の支払いやKindle本の購入にも利用可能です。この魅力的なインセンティブにより、Xキャンペーンではインスタントウィンにすることでリポスト促進にも効果を発揮するでしょう。
こんなシーンにおすすめ
- インスタントウィン型で大規模なリポスト拡散を狙うXキャンペーン
- Prime会員やKindle利用者層にもリーチしたい
さらに詳しく知りたい方は、「Amazonギフトカードとは?種類・購入方法・使い方を初心者向けに解説」にて、法人での活用方法について解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
PayPayポイント
PayPayポイントコードは、PayPayに加盟しているすべての店舗(オンライン・オフライン問わず)で利用可能です。この利用用途の幅広さから、Xキャンペーンでは毎日参加形式での継続的なエンゲージメント獲得に適しているといえるでしょう。
こんなシーンにおすすめ
- Web広告や公式LINEと連動したXキャンペーン
- 毎日参加形式でタイムライン上の露出を最大化したい
- オンライン・オフラインを問わず幅広い販促施策と連携させたい
さらに詳しく知りたい方は、「PayPayポイントコードとは?購入方法からチャージ手順まで使い方完全ガイド」にて、キャンペーンでの活用方法について解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
QUOカードPay
QUOカードPayは、スマートフォンで使えるキャッシュレス決済型のプリペイドサービスです。全国のコンビニエンスストアをはじめとする多くの加盟店で利用可能で、オリジナルデザインも作成できます。Xキャンペーンでは後日抽選型でも郵送不要で配布でき、運用コスト削減につながります。
こんなシーンにおすすめ
- 後日抽選型キャンペーンで配送コストを削減したい
- オリジナルデザインでユーザー体験を向上させたい
- コンビニエンスストア等で日常的に使える実用性を重視したい
さらに詳しく知りたい方は、「QUOカードPayとは?法人活用のメリット・購入方法・導入事例を徹底解説」にて、企業での活用方法について解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
本記事では、Xキャンペーンをこれから検討されている方に向けて、キャンペーン設計のポイントなどを解説しました。最後にまとめをご覧ください。
▼Xキャンペーンとは
「フォロー&いいね」などの具体的なアクションをユーザーに促し、フォロワーを獲得したり、認知拡大、会員数増加などにつなげられる施策
▼成功の秘訣
Xキャンペーンの目的を定める
目的に合わせた適切な「型」で施策を設計する
▼キャンペーンの目的(一例)
フォロワー獲得
認知拡大
アプリユーザー/会員獲得
CV促進/滞在時間増加
エンゲージメント強化
▼企画の型(一例)
フォロワー獲得の型
認知拡大の型
アプリユーザー/会員獲得の型
CV促進/滞在時間増加の型
エンゲージメント強化への対応の型
改めて、キャンペーン成功の鍵は「目的の明確化」と「形式の最適化」にあります。たとえば、フォロワー獲得・認知拡大・会員獲得など、目的に応じて適したキャンペーン形式(基本形式、毎日参加形式など)を選ぶことが重要です。さらに、インセンティブの工夫もエンゲージメント向上に効果的です。ぜひ本記事を参考に、成果につながるキャンペーン設計をご検討ください。