従業員エンゲージメントツールを比較|サーベイ型・施策型の違いと選び方

従業員エンゲージメント向上のためにサーベイツールを導入したものの、「結果を見るだけで施策に活かせていない」と感じていませんか。
実際、多くの企業でサーベイ結果の共有にとどまり、改善アクションにつながらないという課題を抱えていらっしゃるようです。その背景には「目的や運用設計が整理されていない」ことが挙げられます。
エンゲージメントツールは大きく「計測」と「施策実行」の2タイプに分かれ、課題によって選ぶべきツールは異なります。この整理をしない状態で導入すると、成果につながらないミスマッチが起きがちです。
本記事では、主要ツールを「計測」と「施策実行」の2軸で整理し、エンゲージメント向上のための運用ポイントを解説します。自社に合ったツールを選び、従業員エンゲージメントを継続的に高めるための参考として、ぜひ最後までご覧ください。
福利厚生の整備にお困りのご担当者様へ
こんなお悩みはありませんか? ・他社がどのような福利厚生制度を導入・整備しているのか知りたい ・社員に実際に利用されている福利厚生の事例を探している ・運用負担を抑えながら制度を整備している企業の事例を見たい
福利厚生は、社員の満足度や定着率向上に直結する重要な制度です。その一方で、制度を整えたものの「利用されない」「管理が煩雑になる」といった課題に直面することも少なくありません。
こうした背景から、福利厚生の内容や運用方法を見直す企業が増えています。実際にどのような企業が、どんな工夫をしながら福利厚生を整備しているのか。
具体的な活用事例をご紹介します。ぜひご参考にしてください。
従業員エンゲージメントとは
従業員エンゲージメントとは、従業員が自社・自分の仕事・組織に対して持つ心理的なつながりの強さを指します。単なる「仕事への満足度(ES)」とは異なり、自発的に組織の成果に貢献しようとする意欲まで含む概念です。
人事領域ではすでに一般的な指標となっており、現在では多くの企業がエンゲージメントを組織状態を把握するための重要なKPIとして扱っています。特に人材確保が難しくなる中で、離職防止や組織生産性の向上を目的に、エンゲージメントを定期的に測定する企業が増えています。
エンゲージメントが高い組織では、以下のような変化が同時に起こりやすいとされています。
離職率の低下
従業員の主体性向上
チームのコミュニケーション活性化
顧客満足度の向上
こうした背景から、従業員エンゲージメントは人事施策だけでなく経営指標の一つとして注目されています。
エンゲージメント施策で「ツール」が必要になる理由
エンゲージメント向上施策において、多くの企業が直面する課題があります。それは、「組織状態を正確に把握することの難しさ」です。
従来は、年1回の従業員満足度調査や管理職の感覚をもとに組織状態を判断するケースが一般的でした。しかし、この方法では問題が顕在化したタイミングでしか状況を把握できず、対応が後手に回ることがあります。
例えば、次のようなケースは珍しくありません。
離職が発生してから組織の問題に気づく
特定の部署でエンゲージメントが下がっていることを把握できない
リモートワークで社員の状態が見えにくくなる
こうした問題に対応するため、現在では「パルスサーベイ」を活用して組織状態を定期的に計測する方法が広く採用されています。
パルスサーベイとは、数分で回答できる短いアンケートを週次・月次などの頻度で実施し、組織の状態変化を継続的に把握する仕組みです。部署別・チーム別にデータを分析することで、問題が発生している組織単位を早期に特定できます。
ただし、ここで重要なのは計測だけではエンゲージメントは向上しないという点です。サーベイ結果を分析し、改善施策を実行し、その効果を再び測定するという運用サイクルが必要になります。
そのため、エンゲージメントツールを選ぶ際には、組織状態を測定する機能だけでなく、施策実行まで含めてどのように運用するのかを考えることが重要です。
ツールは「計測系」と「施策実行系」の2タイプに分けて考える
従業員エンゲージメントツールを選ぶ際に、まず理解しておきたいのがツールの役割の違いです。「エンゲージメントツール」と一括りにされることが多いものの、実際には提供している機能や目的は大きく異なります。多くのサービスは、次の2タイプのどちらか、またはその組み合わせに分類できます。
- 計測系(サーベイ型)
- 施策実行系
この2つの違いを理解せずにツールを選ぶと「サーベイは実施できるが改善施策が回らない」「施策は実施しているが効果を測定できない」といったミスマッチが起きやすくなります。
計測系ツール:組織状態を可視化する
計測系ツールは、従業員エンゲージメントを定量的に把握するためのツールです。パルスサーベイや組織診断を通じて、従業員の心理状態や組織コンディションをデータとして可視化します。多くの企業では、月次または四半期単位でサーベイを実施し、以下のような情報を把握します。
部署別・チーム別のエンゲージメントスコア
マネージャーとメンバーの関係性
会社への信頼度や共感度
働きやすさ・心理的安全性
こうしたデータを継続的に取得することで「どの部署に課題があるのか」「どのタイミングで組織状態が変化したのか」といった兆候を早期に把握できます。
一方で、計測系ツールは組織状態を把握することに特化しているため、改善施策そのものは別途設計する必要があります。サーベイ結果をどのように解釈し、どのような施策につなげるのかを人事部門や管理職が考える必要があります。
施策実行系ツール:エンゲージメント施策を回す
施策実行系ツールは、エンゲージメント向上のための具体的なアクションを実行するためのツールです。社内コミュニケーションの活性化や、感謝・承認文化の醸成、表彰制度の運用など、組織の関係性を強化する仕組みを提供します。代表的な機能としては、次のようなものがあります。
ピアボーナス(感謝ポイントの送り合い)
サンクスカード
社内SNS 社員表彰・インセンティブ配布
社内コミュニケーション機能
こうした仕組みを日常的に運用することで、従業員同士の承認や感謝が可視化され、組織の心理的安全性や一体感が高まりやすくなります。
特にリモートワークや拠点分散が進んでいる企業では、意識的にコミュニケーションを設計しなければ、組織のつながりが弱くなりやすいという課題があります。施策実行系ツールは、こうした課題を解決するための仕組みとして活用されています。
多くの企業が陥る「ツール選定の落とし穴」
エンゲージメントツール導入でよくある失敗は、計測ツールを導入しただけで改善施策が設計されていないケースです。
サーベイを実施すれば組織状態は可視化できます。しかし、その結果をもとに具体的な施策を実行しなければ、エンゲージメントは実際には変化しません。
逆に、社内SNSやピアボーナスなどの施策ツールを導入していても、エンゲージメントが改善しているかどうかをデータで把握できない場合もあります。
このように、
計測だけでは改善できない
施策だけでは効果を検証できない
という問題が起きやすいため、両方を組み合わせた運用設計が重要になります。まずは自社の現状を「計測」と「施策」の2軸で整理してみましょう。
従業員エンゲージメントツール比較
主要10サービスを「タイプ」「主な機能」「料金情報」「導入規模感」「特徴」の5つの観点で整理しました。
比較表を見る際は、まずツールのタイプ(計測系 / 施策実行系)に注目してください。エンゲージメントツールは同じカテゴリに分類されることが多いものの、実際には役割が大きく異なります。組織状態を把握することに強みを持つツールもあれば、社内コミュニケーションや表彰制度など、具体的な施策を運用することに強みを持つツールもあります。
そのため、比較表では単純に「機能が多いかどうか」ではなく、どのフェーズの人事施策に適しているツールなのかが分かるよう整理しています。自社の課題が「組織状態の可視化」にあるのか、それとも「施策実行」にあるのかを意識しながら確認してみてください。
サービス名 | タイプ | 主な機能 | 導入規模感 | 特徴・強み |
|---|---|---|---|---|
Wevox | 計測系 | パルスサーベイ、個人特性診断、ストレスチェック連携 | 中小〜大企業 | 回答しやすいサーベイ設計 回答結果をリアルタイムで確認可能 |
モチベーションクラウド | 計測系 | 組織診断、エンゲージメントスコア、ベンチマーク分析 | 中堅〜大企業 | 大規模データベースを活用した業界ベンチマーク比較が可能 |
HRBrain | タレントマネジメント系 | エンゲージメントサーベイ、人事評価、OKR管理 | 中堅〜大企業 | 人事評価や目標管理とサーベイを統合できる |
ミキワメウェルビーイングサーベイ | 計測系 | エンゲージメント計測、メンタルヘルス状態把握、AIレポート | 中小〜大企業 | AIによるストレス状態の可視化と早期アラート |
TUNAG | 施策実行系 | 社内SNS、サンクスカード、ピアボーナス、目標管理 | 中堅〜大企業 | 社内コミュニケーションと施策管理を一体化 |
Unipos | 施策実行系 | ピアボーナス、感謝メッセージ、Slack/Teams連携 | 中小〜大企業 | 感謝・承認文化の醸成に特化したツール |
THANKS GIFT | 施策実行系 | サンクスカード、アンケート、シフト管理 | 中小企業 | 現場職種向けの設計でスマホ利用に強み |
カオナビ | タレントマネジメント系
| 人材データベース、目標管理、エンゲージメント可視化 | 中堅〜大企業 | タレントマネジメントと連動した人事施策設計 |
giftee for Business | インセンティブ系 | デジタルギフト配布、表彰・サンクス施策 | 中堅〜大企業 | 表彰・インセンティブをデジタル化し即時配布できる |
エンゲージメント施策の基本サイクル
従業員エンゲージメントを高める施策では、単にツールを導入するだけでは効果は生まれません。重要なのは、組織状態の把握から施策実行までを継続的に回すことです。
多くの企業では、次のようなサイクルでエンゲージメント施策を運用しています。
- 計測(サーベイ)
- 課題の特定(部署・チーム単位で分析)
- 改善施策の実行
- 承認・表彰・インセンティブ
- 再計測
まず、サーベイツールを使って組織状態を定期的に測定します。パルスサーベイなどを活用することで、従業員の心理状態や組織の変化を継続的に把握することができます。
次に、サーベイ結果を分析し、エンゲージメントが低下している部署やチームを特定します。ここで重要なのは、数値を確認するだけで終わらせないことです。どの要因がエンゲージメント低下につながっているのかを整理し、改善施策につなげる必要があります。
そのうえで、コミュニケーション施策や社内制度の見直し、表彰制度などを通じて、組織内の関係性や承認文化を強化していきます。感謝や評価を「言葉」だけでなく「形」にして届けることで、従業員のモチベーションや組織への帰属意識が高まりやすくなります。
最後に、再びサーベイを実施し、施策の効果を確認します。このサイクルを継続的に回すことで、組織の状態を改善しながらエンゲージメントを高めていくことができます。
エンゲージメントツールの選び方
従業員エンゲージメントツールを選ぶ際は、単に機能の多さだけで判断するのではなく、自社の課題や組織状況に合ったツールかどうかを基準に検討することが重要です。ここでは、ツール選定の際に押さえておきたいポイントを整理します。
自社の課題が「計測」か「施策」かを整理する
最初に確認したいのは、自社の課題が「組織状態の把握」なのか、それとも「施策の実行」なのかという点です。例えば、次のような状況であれば計測系ツールの導入が適しています。
組織状態を定量的に把握できていない
部署ごとのエンゲージメント状況が分からない
従業員サーベイを定期的に実施できていない
一方で、次のような課題がある場合は施策実行系ツールの検討が必要になります。
社員同士の感謝や承認が可視化されていない
社内コミュニケーションが活性化していない
表彰制度やインセンティブ施策を運用できていない
まずは自社の課題がどこにあるのかを整理することで、選ぶべきツールの方向性が明確になります。
組織規模に合ったツールを選ぶ
エンゲージメントツールは、想定されている企業規模によって設計が異なることがあります。中小企業向けのシンプルなツールもあれば、大企業の組織診断を前提としたサービスもあります。そのため、ツールを選ぶ際には
従業員数
組織構造(部署数や拠点数)
人事部門の運用体制
などを踏まえて、自社に合った規模感のツールを選ぶことが重要です。
既存の人事システムとの連携を確認する
すでに人事システムを導入している場合は、ツール同士の連携も重要なポイントになります。
例えば、
人事データベース
労務管理システム
社内コミュニケーションツール
などと連携できるかどうかによって、運用負担が大きく変わります。従業員情報を二重入力する必要がある場合、ツールの運用が定着しにくくなる可能性があります。
「計測→改善→承認」の運用を設計する
エンゲージメントツールは、導入するだけでは効果を発揮しません。重要なのは、施策の運用サイクルを設計することです。
例えば、
サーベイで組織状態を計測する
課題のある部署を特定する
コミュニケーション施策や制度を改善する
表彰やインセンティブで承認を形にする
といったサイクルを継続的に回すことで、エンゲージメント向上につながります。
ツール選定の際は、サーベイ結果の分析だけでなく、施策実行や承認文化の醸成まで含めてどのように運用するのかを検討することが大切です。
まとめ
従業員エンゲージメントツールは、目的によって大きく「計測系」と「施策実行系」 の2タイプに分けて考えることができます。
計測系ツールは、パルスサーベイや組織診断を通じて、従業員の心理状態や組織コンディションを数値で可視化することに強みがあります。一方、施策実行系ツールは、社内コミュニケーションや承認文化の醸成など、エンゲージメント向上のための具体的な取り組みを支援することを目的としています。
エンゲージメント施策を成功させるためには、ツールの導入そのものよりも、組織状態を把握し、課題を特定し、改善施策を実行して再び測定するという運用サイクルを継続的に回すことが重要です。
そのため、ツールを選定する際には次のポイントを意識するとよいでしょう。
- 自社の課題が「組織状態の計測」か「施策実行」かを整理する
- 組織規模や運用体制に合ったツールを選ぶ
- 既存の人事システムとの連携を確認する
- 導入後の運用サイクルまで設計する
本記事を参考に、自社の組織課題や人事施策の目的に合ったエンゲージメントツールを検討してみてください。
福利厚生の整備にお困りのご担当者様へ
こんなお悩みはありませんか? ・他社がどのような福利厚生制度を導入・整備しているのか知りたい ・社員に実際に利用されている福利厚生の事例を探している ・運用負担を抑えながら制度を整備している企業の事例を見たい
福利厚生は、社員の満足度や定着率向上に直結する重要な制度です。その一方で、制度を整えたものの「利用されない」「管理が煩雑になる」といった課題に直面することも少なくありません。
こうした背景から、福利厚生の内容や運用方法を見直す企業が増えています。実際にどのような企業が、どんな工夫をしながら福利厚生を整備しているのか。
具体的な活用事例をご紹介します。ぜひご参考にしてください。






