TikTokキャンペーンの種類と事例を解説！実施のポイントと景品も紹介
TikTokは圧倒的な拡散力を誇り、上手く活用すれば短期間で認知拡大や売上向上につなげることが可能です。特に、メインユーザーである若年層をターゲットとする企業にとっては、今や欠かせないマーケティングチャネルの一つとなっています。最近では、TikTokの拡散力によって商品が爆発的に売れる現象を指す「TikTok売れ」という言葉も生まれています。
実際、日経トレンディが選ぶ2021年ヒット商品ベスト30では「TikTok売れ」が1位にランクインしており、購買促進につながる重要なチャネルとして注目されています。今、SNSマーケティングにおいてTikTokを活用しない手はありません。
ただし、TikTokキャンペーンと一口に言っても、その手法は多岐にわたります。ハッシュタグチャレンジやインフルエンサー施策、広告配信など、目的やターゲットに応じて適切な手法を選ばなければいけません。闇雲に施策を展開するのではなく、ブランドの世界観やターゲットの行動特性を踏まえた戦略的なアプローチが求められます。
本記事ではTikTokキャンペーンの効果や種類について解説しています。事例も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
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TikTokキャンペーンとは
TikTokキャンペーンとは、ショート動画専門プラットフォームであるTikTokを活用したキャンペーンです。全画面で表示される縦型ショート動画がメインとなるSNSであり、InstagramやXなどでは見られないキャンペーンも実施できます。
TikTokは若年層のユーザーが多く、10代では70%、20代では50%以上が利用しており、拡散力が高いという特徴を持ちます。そのため、キャンペーンを実施することで、若年層に対して効果的にアプローチすることが可能です。
また、メディア環境研究所の調査によると、
30代ユーザー：4.0%（2021年）→20.6%（2024年）
40代ユーザー：5.4%（2021年）→16.2%（2024年）
といったように、30代・40代の利用者数も増加傾向にあるため、中年層向けの商品を扱う企業も、注目しておくべきキャンペーンと言えるでしょう。
TikTokキャンペーンを実施するメリット
TikTokキャンペーンを実施するメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
若年層へ効果的にリーチできる
フォロワーが少なくても高いエンゲージメント率を生み出せる
ブランド認知度を向上できる
購買促進につながる
UGCの促進につながる
自社がキャンペーンを実施する目的に対し、TikTokキャンペーンが適切な手段かを判断するためにも、メリットについて理解しておきましょう。
若年層へ効果的にリーチできる
TikTokは前述したように、
10代：約70%
20代：約50%
が利用しています。そのため、若年層に効果的にリーチできるSNSです。
特に、Z世代と呼ばれる10～20代は、SNSを情報収集に活用する人が多くいます。NTTドコモ モバイル社会研究所の調査によると、10代は約60％、20代は約55％がSNSで情報収集していることもわかっています。
TikTokキャンペーンを実施することで通常の投稿よりも目に留まりやすくなり、情報収集をしている若年層に対して効果的にリーチできるでしょう。
フォロワーが少なくても高いエンゲージメント率を生み出せる
TikTokのアルゴリズムは、ユーザーの関心に基づいて最適な動画を優先的に表示する仕組みになっています。そのため、キャンペーンの内容がユーザーの興味を引ければ、フォロワー数に関係なく高いエンゲージメントを獲得できる可能性があります。
特に、InstagramやXではフォロワー数が影響力を左右する一方で、TikTokなら立ち上げたばかりのアカウントでも、魅力的なコンテンツさえあれば短期間でバズるチャンスがあります。この拡散力の高さこそが、TikTokキャンペーンの大きな強みです。
ブランド認知度を向上できる
TikTokの拡散力をうまく利用できれば、広告費を抑えつつブランド認知度を向上できます。魅力的なキャンペーンはユーザーによって自発的に拡散され、多くの人にリーチできるため、大規模な広告投資なしでも話題を生み出せます。
その結果、短期間で多くのユーザーに商品やサービスを知ってもらうことができ、ブランド認知向上につながるでしょう。
購買促進につながる
冒頭でもお伝えしたように、最近では「TikTok売れ」という言葉があります。TikTok売れとは、TikTok上の投稿や広告を通して商品情報が一気に拡散され、爆発的に売れる現象のことです。
たとえば、カネボウの「リップモンスター」という商品は、TikTok売れをした代表的な商品です。コロナ禍で口紅が売れにくくなった時期に、マスクをしていても落ちにくいという特性を持つリップモンスターを開発し、TikTokのブランドエフェクトも開発しました。
その結果、エフェクトを利用した動画は約1,600件投稿され、エフェクト利用の動画総再生回数は約460万回になり、発売から約1年で累計出荷本数350万本を突破しました。
また、コスメだけでなく、お菓子や飲料物などの消費財から、高級レストランや高級旅館といった高額サービスまで、さまざまな商品がTikTok売れの対象となっています。さらには、日経トレンディが選んだ2021年ヒット商品ベスト30では、「TikTok売れ」が1位に選ばれています。
そのため、どのような商品やサービスでも、TikTokキャンペーンを通じて高いエンゲージメント率を生み出せれば、認知向上だけでなく購買促進にもつながるということです。
UGCの促進につながる
UGC（User Generated Content）とは「一般のユーザーが作成し、投稿するコンテンツ」のことです。具体的には、商品を使用した感想やレビュー動画、購入品紹介などが該当します。
TikTokキャンペーンを実施する際に、ハッシュタグ投稿やお題を設定して参加を促すことで、ユーザーによる自発的な投稿＝UGCを大量に生み出すことが可能です。
UGCが拡散されると、企業が発信する広告よりも自然な形で情報が広まり、認知拡大や購買促進につながります。なぜなら、企業と関係のない一般ユーザーの投稿は、信頼性が高いと感じるユーザーが多いからです。
そのため、TikTokキャンペーンを実施するのであれば、UGCの設計も考慮するとより効果的でしょう。
TikTokキャンペーンの種類
ここまで、TikTokキャンペーンのメリットにつて解説しましたが、本章では具体的にどのようなキャンペーンを実施できるのかについて見てみましょう。TikTokキャンペーンには、次のような種類があります。
フォロー&いいねキャンペーン
インスタントウィンキャンペーン
ハッシュタグキャンペーン（ハッシュタグチャレンジ）
楽曲（エフェクト）使用キャンペーン
インフルエンサーを活用したキャンペーン
フォロー&いいねキャンペーン
Xなどでもよく実施されている「フォロー&いいねキャンペーン」はTikTokでも行えます。フォロー・いいね・コメントなどのアクションを参加条件とし、条件を満たしたユーザーが抽選に参加できるキャンペーンです。
フォロー&いいねキャンペーンの効果は、キャンペーンを通じて自社アカウントの認知度が向上し、投稿の拡散力が増すことです。TikTokはアルゴリズム上、エンゲージメントが高い投稿を優先的に表示するため、いいねやフォロワーが増えることで、より多くのユーザーにリーチできるようになります。また、参加者が自発的にアクションを起こすため、広告としての押しつけ感が少なく、自然な形でブランド認知が広がります。
インスタントウィンキャンペーン
インスタントウィンとは「即時抽選」のことで、応募完了後にすぐ結果がわかる抽選方法です。条件を満たしたユーザーはすぐに抽選結果がわかることから、わくわく感も味わえるため、参加意欲を高める効果が期待できます。
一般的には、キャンペーンに参加したユーザーがすぐに当選を確認できる仕組みとなっており、当選者にはその場で景品や特典を提供します。たとえば、キャンペーン参加者の中から抽選でプレゼントを贈ったり、限定の割引クーポンを配布する方法が一般的です。
ハッシュタグキャンペーン（ハッシュタグチャレンジ）
ハッシュタグキャンペーンは、TikTok上で「ハッシュタグチャレンジ」と言われています。指定のハッシュタグを付けてお題に合わせた動画投稿を促すキャンペーンです。
この形式の魅力は、ユーザーが自発的にコンテンツを作成し、拡散することで、ブランドや商品を広めることができる点です。参加者は指定されたハッシュタグを使って、自分なりの動画や投稿を作成し、SNSでシェアすることになります。
一般的には、ユーザーの投稿はコンテスト形式で評価され、最もクリエイティブな投稿に賞品を贈る、またはキャンペーンに参加したユーザー全員に割引クーポン提供などを行います。このように、ユーザーの創造性を引き出しながらブランドの認知度を高めることができます。
楽曲（エフェクト）使用キャンペーン
楽曲（エフェクト）使用キャンペーンは、TikTok特有の機能である音楽やエフェクトを活用して、指定した楽曲やエフェクトを使い、動画の投稿を行うことを条件とするキャンペーンです。この形式の魅力は、ユーザーが参加しやすく、エンターテイメント性を楽しみながらキャンペーンに参加できる点です。
たとえば、コスメブランドが認知拡大を目指す場合、新商品の口紅を塗っているかのような疑似体験ができる自社オリジナルのエフェクトを使ってもらう、自社の商品と親和性の高い楽曲を使用してもらう、などです。
また、オリジナルのダンスを踊ってもらうダンスチャレンジを取り入れることで、コンテンツが自然に拡散しやすくなります。このように、ユーザーが自由にアレンジした動画を投稿することで、ブランドの認知度が大きく広がり、共感を呼ぶことができます。
インフルエンサーを活用したキャンペーン
インフルエンサーを起用し、PR動画の配信や、ダンスチャレンジへの参加をする方法もあります。
たとえば、メイク動画をアップしているインフルエンサーに自社のコスメのPRとプレゼント企画をしてもらうなど、自社の商品やサービスと親和性のあるインフルエンサーを起用すれば、大きな効果が期待できます。
インフルエンサーに支払う費用の相場は、「フォロワー数×単価」です。フォロワー数が多いほど単価も上がり、単価は以下が目安となります。
フォロワー1万人：2円/1人
フォロワー10万人：3円/1人
フォロワー100万人：4円/1人
また、インフルエンサーには、主に以下のようなジャンルがあります。
美容系インフルエンサー
ファッション系インフルエンサー
グルメ系インフルエンサー
料理系インフルエンサー
フィンフルエンサー（資産運用などのお金関連）
ダイエット系インフルエンサー
ライフスタイル系インフルエンサー
ガジェット系インフルエンサー
旅行・レジャー系インフルエンサー
教育系インフルエンサー
化粧品なら美容系インフルエンサー、調理器具なら料理系インフルエンサーといったように、PRしたい商品やサービスと親和性の高い人を選びましょう。
インフルエンサーを起用したい場合は、TikTok上で探してDMで依頼するほか、マッチングサービスで検索することも可能です。
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企業が行ったTikTokキャンペーンの事例
TikTokキャンペーンの種類について解説しましたが、よりイメージしやすいように、それぞれの事例も見てみましょう。
LAWSONのフォロー&リポストキャンペーン
LAWSONでは、「TikTokギフトカード」の発売を記念して、TikTokオリジナルグッズ3点セットが抽選で当たる「フォロー&リポストキャンペーン」を実施しました。LAWSONの公式アカウントをフォローし、対象ポストをリポストすることで、応募できるというものです。
簡単に応募できることから、多くのユーザーが参加しました。
Reluxのハッシュタグキャンペーン
ホテル・旅館の宿泊予約サービス「Relux（リラックス）」を運営する株式会社Loco Partnersでは、「ハッシュタグキャンペーン」を実施しました。ホテル旅館などの宿泊施設や旅に関連した動画を撮影して位置情報を付け、ハッシュタグ「#relux思い出」を付けて投稿すると、応募できるというものです。
参加者全員にReluxの5%OFFクーポン、投稿をしたユーザーの中から5名に無料ペア宿泊券をプレゼント。キャンペーン期間中に投稿動画の総視聴数が5,000万再生を突破するなど、反響の大きいキャンペーンとなりました。
丸亀製麺のダンスチャレンジ
丸亀製麺では、「丸亀シェイクうどん」の商品PRとして「ダンスチャレンジ」を実施しました。指定の音源でダンスを踊り、「#シェイクうどんダンス踊ってみた」のハッシュタグと、丸亀製麺公式アカウントへのメンションを付けて投稿すると、応募できるというものです。
※参考：シェイクうどんダンス踊ってみた！特別賞品あり | TikTok
バイトルのエフェクト&ダンスチャレンジ
バイトルでは、アルバイト選びを応援するプロモーションとして、「エフェクト＆ダンスチャレンジ」を実施しました。楽曲「バイトル！」、エフェクト「はじめてバイト応援」を選択し、ダンスを踊って動画を投稿すると、応募できるというものです。
投稿された動画は1,600件を超え、その合計再生回数は4,000万回を超えました。
TikTokキャンペーンを実施する際のポイント
TikTokキャンペーンを実施する際には、以下のポイントを意識することで省力的ながらも成功率を高められます。
参加ハードルを低くする
トレンドを意識した参加条件を設定する
多くの人が当選できるようにする
魅力的な景品を用意する
なぜ、これらが成功につながるのかについて解説します。
参加ハードルを低くする
「フォロー&いいねキャンペーン」のように、簡単に参加できる条件にすることで、より多くのユーザーの参加を促すことができます。参加ハードルが低ければ、ユーザーは手軽に参加でき、結果として多くのフォロー・いいね・コメントを得ることができます。つまり、よりおすすめに表示されやすくなり、効果的に認知拡大できるということです。
もちろん、オリジナルのダンスや楽曲、エフェクトを凝れば、さらに目を引くキャンペーンになりますが、企業側としてはそれが必須ではなく、シンプルな形でも十分効果を上げることができます。
トレンドを意識した参加条件を設定する
TikTokのトレンドを意識した応募条件（オリジナルダンスやエフェクトの使用など）を設定することで、より多くのユーザーの参加や拡散が期待できます。
「このダンスを踊ってみたい」「エフェクトを試してみたい」と思わせることで、多くのユーザーが条件に合わせて動画を投稿することで、キャンペーンに参加していない視聴ユーザーにも認知拡大が進みます。
多くの人が当選できるようにする
「10,000円分の商品を10名」よりも「500円分の商品を200名」にプレゼントするなど、当選数を増やすことで、当選への期待が高まりより多くのユーザーに参加してもらいやすくなります。
景品の金額は参加ハードルによって変える必要はありますが、簡単に参加できる「フォロー&いいねキャンペーン」などは、少額の景品を多く用意するのがおすすめです。
魅力的な景品を用意する
キャンペーンを実施する場合、そもそも「参加して景品を貰いたい」と思ってもらう必要があるため、ターゲットのニーズを満たす魅力的な景品を用意することが重要です。
キャンペーンに関連する景品や、多くのユーザーのニーズを満たす景品を用意しましょう。
TikTokキャンペーンによく用いられる景品の種類
魅力的な景品を用意することが重要だと解説しましたが、どのようなものが景品として活用されているのでしょうか。
主に、以下のようなものが景品として用いられています。
自社製品やオリジナルグッズ
ギフトカード
デジタルギフト
では、詳しく解説します。
自社製品やオリジナルグッズ
自社で扱う製品を景品とする場合、費用を抑えながらもブランドイメージに合った景品を用意できるという大きなメリットがあります。たとえば、「欲しいパーカーの色を選んでコメントしてね」といった形で参加を促し、自然にコメントを増やすことができます。
また、オリジナルグッズは特別感があるため、ファンにとっては「手に入れたい」と思わせる要素となります。そのため、普段からそのブランドを応援しているユーザーが積極的に参加してくれる可能性が高く、ブランド認知やファンの絆を深める良い機会となるでしょう。
ギフトカード
ギフトカードは受け取った方が自分の好みに合わせて自由に購入できるため、さまざまなキャンペーンで非常に人気のある景品です。
ただし、ギフトカードは種類によって使えるお店が限られるため、多くのお店で利用できる利便性の高いギフトカードを選ぶことが大切です。
さらに、ギフトカードは物理的なアイテムであるため、在庫管理や当選者への発送など、手間がかかる点にも注意が必要です。特に大量に配布する場合は、発送作業においてミスが発生しない管理体制が求められます。
デジタルギフト
現物のギフトカードは物理的な管理が必要なため、キャンペーンの運用において手間がかかりやすく、煩雑になることが多いです。特に、規模が大きくなるほどその煩雑さは増し、ミスのリスクも高まります。
そこで、受け取った方が自由に選べる電子マネーを提供できるデジタルギフトが非常におすすめです。物理的な配送や在庫管理が不要であること、自分の使い慣れたまたは欲しいお店で利用できる電子マネーを選べることから、ギフトカードよりも直感的で便利に使えます。
さらに、デジタルギフトは即時性が高いため、受け取ってから利用するまでの時間も短縮されます。このように、煩雑な手続きを減らし、参加者にとっても便利で魅力的な選択肢を提供できる点で、デジタルギフトはキャンペーンにおいておすすめです。
TikTokキャンペーンはデジタルギフトと専用ツールで効率化
TikTokキャンペーンでは、デジタルギフトを活用することで、景品の配布を効率的に行うことができます。特に、投稿へのエンゲージメントを促進するためには、リアルタイムで景品を受け取れる仕組みが重要です。
デジタルギフトなら、物理的なギフトカードのような配送や在庫管理の手間を省き、参加者がスムーズに景品を受け取ることができるため、運営の効率化が図れます。
加えて、インスタントウィンツール（即時抽選ツール）を組み合わせることで、キャンペーンの進行がさらにスムーズになります。抽選形式のキャンペーンの場合、このツールを利用すれば、参加者はキャンペーンに参加した瞬間に抽選結果を確認し、その場でデジタルギフトを受け取ることが可能になります。特にTikTokのようにスピーディーさが求められるプラットフォームでは効果的です。
これにより、デジタルギフトとインスタントウィンツールを組み合わせることで、参加者の満足度を高めると同時に、キャンペーン全体の効率も向上するでしょう。
