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2024/03/12

プレゼントキャンペーン担当者が知っておきたい「景品表示法(景表法)」をわかりやすく解説

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景表法KV

プロモーションのひとつとして、プレゼントキャンペーンや抽選イベントを行う企業も多いのではないでしょうか。その際に使用する景品は、「景品表示法(景表法)」によって制限を受ける場合があるため、違反しないように注意が必要です。

今回は、景表法の概要をはじめ、景表法の対象となる懸賞の種類、使用できる景品の金額の上限などについて解説します。キャンペーン企画を適切に実施するためにぜひご一読ください。

※本記事の内容はあくまで株式会社ギフティ(以下ギフティ)としての見解であり、本記事の内容が法令の解釈に適合していることを保証するものではなく、本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害についてもギフティは一切責任を負いません。また、ギフトのプレゼントや使用に関する最終判断は、キャンペーン実施企業様に委ねています。

景品表示法(景表法)とは?

キャンペーンを実施する際、「景表法」という単語を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

景表法とは不当景品類及び不当表示防止法の略称で、一般消費者の利益の保護を目的に、商品・サービスの品質、内容、価格、取引条件などを偽って不当に表示することを規制したり、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限したりする法律です。

大まかにまとめると、 ・虚偽の表記に騙されて商品を買ってしまう(不当表示の禁止) ・豪華すぎる景品に釣られて、質の悪い商品を買ってしまう(過大な景品類の規制) といった事態に消費者が陥らないよう制定された法律です。

企業が景表法に違反した場合、社会的な信用が失われたり、課徴金制度が適用されたりといったリスクがあります。そのため、キャンペーン実施の際には必ず頭に入れておきたい情報のひとつです。

不当表示の禁止

まずは、商品やサービスの表示についての禁止事項について説明します。

消費者が商品やサービスを選ぶ際、品質や価格、取引条件は重要な判断材料となっているため、消費者に正しい情報を伝えることは企業側の義務となります。 そのため景表法では、消費者に誤解を与えるような「優良誤認表示」・「有利誤認表示」のような表現を禁止しています。

優良誤認表示の禁止

優良誤認表示とは、商品・サービス品質などの内容を、実際よりも良いものだと消費者に思わせるような過剰な表示のことを指します。

たとえば化粧品において、貴重な成分が大量に含まれていると見せかけて、実際にはわずかしか含んでいない…といったように、表示と内容の実態が乖離している状態です。

有利誤認表示の禁止

有利誤認表示とは、商品・サービスの価格などの取引条件について、消費者に「お得である」との誤解を与えるような表示のことを指します。

たとえば、他社商品と変わらない内容量であるにもかかわらず、他社より内容量が多いと虚偽の表示をし、数倍の金額で商品を販売するような行為です。 抽選キャンペーンであれば、10名にのみ景品を用意しているにもかかわらず、100名に当たると告知しているものなどが該当します。

「過大な景品類」が規制されている理由とは?

過剰に豪華な景品につられて低品質な商品を買ってしまうなど、景品は消費者の購入判断に影響を及ぼします。企業側も、景品による競争がエスカレートすると、本来コストを割くべき商品・サービス内容の質が低下する可能性があります。

こうしたリスクに対処するために、景表法により景品類の特性に応じて最高額・総額が定められた背景があります。 キャンペーン実施にあたっては、過大な景品類をギフトとして利用しないように注意が必要です。

景表法の対象となる「景品類」とは? 商品券などの金券類は景品類に該当する?

景表法内で出てくる「景品類」は、顧客を誘引する目的で商品・サービスの取引に付与される粗品やおまけ、賞品といった経済上の利益のことで、下記の条件全てに該当するものを指します。 (1)顧客誘引性(顧客を誘引するための手段として) (2)取引付随性(事業者が自己の供給する商品又は役務の取引に付随して) (3)経済上の利益(物品、金銭その他の経済上の利益)

なお、値引きと認められる経済上の利益に該当するものは景品類から除かれ、規制の対象外となります。 値引きと聞くと、現金での割引をイメージする方も多いかと思いますが、以下のようなケースも値引きに該当します。 ・5,000円で販売されている5,500円分のプレミアム商品券 ・商品の購入者を対象に付与される、次回以降の買い物の際に支払いの一部に充当できるポイント ・クーポン冊子に掲載されている、掲載店舗全店で使用できる割引券 ・期間中に、商品A(1,000円)を10個購入してくれた方を対象に、もれなく3,000円のキャッシュバックを行うキャンペーン ・コーヒーを5回飲んだらコーヒー1杯無料券をサービス

ただし、たとえば、コーヒーを5回飲んだらハンバーガー1個無料とする場合など、ケースによって値引きと評価されないものがあるため、値引きに該当するかどうかについては、各企業の法務・コンプライアンス部門にてご確認をお願いします。 ※購入した数量・金額等よりも多く付加する場合は値引きの対象外となります。

景表法の規制対象となる「クローズド懸賞」と対象外の「オープン懸賞」

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景表法に基づく景品規制の対象となるのは、商品・サービスを購入・利用する場合に応募できる「クローズド懸賞」であり、提供できる景品類の限度額等が定められています。 一方、商品・サービスの購入・利用を条件とせず、誰でも自由に応募できる「オープン懸賞」は規制対象外となっています。

クローズド懸賞

クローズド懸賞は、来店時や、商品・サービスを購入・利用する場合に応募・参加できる懸賞です。

景表法の目的は「景品競争の激化により、本来の商品・サービス内容の質が低下することを防ぐこと」のため、商品購入・サービス利用が参加条件となっているクローズド懸賞では、提供できる景品類の限度額等が定められています。

たとえば、 ・期間中にご来店いただいた方の中から抽選でギフトをプレゼント ・口座開設でギフトをプレゼント ・対象商品を購入された方にキャッシュバック などがクローズド懸賞の例に挙げられます。

クローズド懸賞は、キャンペーンの主催団体や景品付与の条件などから、一般懸賞・共同懸賞・総付の3種類に分類されます。

■一般懸賞 一般懸賞は、商品・サービスの利用者に対して、くじ等の偶然性や特定行為(競技の優劣など)によって景品類をプレゼントする懸賞です。

具体的な例は下記のとおりです。 ・レシートで「当たり」が出たらギフトをプレゼント ・クイズの正解者にギフトをプレゼント ・対象商品を購入し、抽選に応募した方のなかから●名様にキャッシュバック

一般懸賞における景品類の限度額は、下記のとおり、取引価額(※)により異なります。

一般懸賞における景品類の限度額

たとえば、300円の商品購入者へ抽選で提供できる景品類の最高額は、300円を20倍した6,000円となります。 単価のほかにも、景品類の総額は、キャンペーン期間中の売上予定総額の2%以内(例:売上予定額10億円の場合は2,000万円)との制限もあります。

■共同懸賞 共同懸賞は、一定の地域や業界の事業者が、商品・サービスの利用者に対して共同で景品類をプレゼントする懸賞です。

具体的な例は下記のとおりです。 ・ショッピングモールにて合計●円以上購入で、プレゼントが当たる抽選に参加できる ・市内の飲食店でもらえるスタンプを集めてキャンペーン応募すると、抽選で賞品が当たる

景品類の最高額は取引価額にかかわらず30万円まで、かつ、景品類の総額は売上予定総額の3%までとされています。

■総付景品(ベタ付景品) 総付景品は、商品・サービスを利用・購入したり、来店したりした方全員にプレゼントする景品類です。景品類のプレゼントに際して、懸賞は行いません。

具体的な例は下記のとおりです。 ・ペットボトルのキャップに缶バッジなどのノベルティをつける ・展示会での来場謝礼としてプレゼントを渡す ・申し込みあるいは入店の先着順にプレゼントを渡す ・飲食してくれたお客さま全員にドリンク1杯サービス

総付景品における景品類の限度額は、下記の通り、取引価額(※)により異なります。

総付景品における景品類の限度額

オープン懸賞

オープン懸賞とは、商品・サービスの購入・利用を条件とせず、誰でも自由に応募できる懸賞です。新聞やテレビ、雑誌、WEBサイト、SNSなどで企画を告知し、郵便はがきやWEBサイト、メールなどで申し込めるものです。

すでにお伝えした通り、取引に付随して提供されることが景品類として認められる条件でした。しかしオープン懸賞では商品・サービスの購入・利用を条件としないことから、景品表示法の規制対象外となっています。

オープン懸賞のキャンペーン事例は下記の通りです。 ・X(旧Twitter)で、フォロー&リポストした方のなかから抽選で●名に新商品をプレゼント ・公式LINEをお友だち追加すると、その場で抽選でギフトをプレゼント ・無料会員登録で、ギフトをプレゼント ・公式アプリをダウンロードすると、オリジナルグッズをプレゼント

なお、アプリのダウンロード自体が無料でも、利用には料金が発生するような場合は、規制の対象となる可能性があります。

業界別でルールが存在することも

業界によっては、景品の提供に関するルールが別途存在します。

たとえば、金融機関の商品を購入した方に景品を提供する場合、景表法の規制に加え、各種業法や金融庁の監督指針、自主規制団体の自主規制規則なども遵守する必要があります。

そのほか、新聞業や雑誌業、不動産業、医療用医薬品業、医療機器業および衛生検査所業などは、告示によって景品類が制限されています。

キャンペーンを実施するときは、自社が属する業界に関するルールも確認が必要です。

キャンペーン実施にあたってのよくある質問

ギフトを利用したキャンペーンを実施するにあたり、よくある質問をまとめております。 あくまで一例となるため、キャンペーン実施前には必ず各企業の法務・コンプライアンス部門へご確認ください。

自社のX(旧Twitter)をフォロー&リポストした方のなかから抽選で1名に、旅行券が当たるプレゼントキャンペーンを実施します。景表法の規制を受けますか?

Xのフォローは商品の購入・サービスの利用をせずとも行うことが可能です。かつ、サービス利用を条件に当選が確約されないため、取引付随性はないと判断され、景表法の規制対象外となります。

商品を購入して試した感想をSNSにハッシュタグをつけて投稿した方に、ギフトが当たるキャンペーンを実施します。景表法の規制を受けますか?

商品の購入が条件となるので、取引付随性があると判断され、景表法の規制対象となります。

資料請求された方や、来店された方にギフトをプレゼントするキャンペーンを検討しています。

サービスを申込むかどうかは本人が選択できる点・ギフト提供時点ではサービス加入を条件としていない点から、資料請求された方へのギフト付与は、景品表示法の規制対象外となります。 ただし、来店された方へのギフトプレゼントは、取引に附随することとなるため、景品規約の規制対象となります。

アンケート回答者への謝礼は景品類に該当しますか?

たとえば、500円の商品を購入し、その場でアンケート回答した全員に1,000円分の景品を提供する場合は、総付景品の規制の対象となる可能性が高いです。

しかし、作業内容が相応の労力を要するモニターの謝礼等、仕事の報酬として認められる金品の提供を行う場合には景表法に該当しません。 なお、アンケートが「誰でも簡単に回答できる」場合には、仕事の報酬として認められず、過大な金品として景品類に該当します。

まとめ

今回は、景品表示法の概要をおさらいしつつ、禁止されることや懸賞の種類などを解説しました。 景品表示法では、商品・サービスの内容を著しく優良に見せかける優良誤認表示、取引条件について著しく有利と見せかける有利誤認表示、消費者に不利な取引を誘発する過大な景品類の提供が禁止されています。 懸賞は、誰でも条件なしに応募できるオープン懸賞と、商品・サービスの購入・利用を前提に応募できるクローズド懸賞に分かれており、オープン懸賞は景品表示法で制限されませんが、クローズド懸賞は制限されます。 また、業界によっては景表法以外のルールが存在する場合もあるので、キャンペーン実施においては注意が必要となってきます。

最終的に企業様の判断で商品を選ぶこととなります。各企業の法務・コンプライアンス部門と相談のうえ、ルールに反しないようキャンペーンをご実施ください。

<参考文献> 消費者庁, 景品表示法, https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/ 消費者庁,事例でわかる景品表示法 不当景品類及び不当表示防止法ガイドブック, https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_160801_0001.pdf 日本リサーチセンター,<販促手法4> オープン懸賞/クローズド懸賞, https://www.nrc.co.jp/marketing/08-11.html 全国銀行公正取引協議会,景品規約に関する紹介事例, https://www.bftc.gr.jp/keihin_jirei/keihin_jirei.html

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