インタビュー謝礼の相場をケース別で解説!金額の決め方やギフトの選び方も紹介

マーケティングにおいて、消費者に自社商品を体験してもらい、その感想をインタビューし、商品の改善に活かす手法は一般的です。こうした消費者インタビューを実施する際、多くの企業がインタビュイー(インタビューを受ける人)を募るために謝礼を用意します。ただし、インタビューの形式や実施方法などによって、謝礼の相場は異なり、一律に決められるものではありません。
また、謝礼の相場は金額だけでなく「このケースでは金銭よりも物品の方が適している」といったように、シーンに応じた適切な形が求められます。このようなマナーを把握して謝礼を適切に設計することで、良いインタビュイーが集まり、結果、質の高いインタビューにつながります。
本記事では、インタビューの謝礼相場や金額を決める要素について解説します。また、謝礼として用いられるギフトの種類や選び方、ギフトを送付する際のメール例文も紹介していますので、インタビュー実施を検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。
インタビュー謝礼やインセンティブ設計の参考事例をお探しのご担当者様へ
もし現在、このようなお困りごとがありましたら、ぜひとも「giftee for Business 導入事例集」をお読みください。
・他社がインタビューを行う上で謝礼を使ってどのように成功させているかを知りたい ・金額の相場感や、どんなジャンルのギフトが好まれているのか知りたい ・他業界・他業種の事例から、自社に応用できるヒントを得たい
本資料では、三井住友海上あいおい生命保険様やビューカード様など、11組織+2自治体のギフト活用事例を収録。今すぐ活用できるアイデアや成功のヒントが満載です。
インタビューに対する謝礼の相場
インタビューに対する謝礼の相場は以下の3要素で異なります。
インタビュー形式
インタビュー実施方法
インタビュー実施時間
下記表は、インタビュー形式別の相場です。

ほかにも謝礼金額が変動する要素はあるため、上記の相場はあくまでも目安であり、これよりも金額を増やすべきケースもあります。
では、なぜこのような金額になるのかについて解説します。
個人インタビュー(デプスインタビュー)
デプスインタビューは、インタビュアーとインタビュイーが1対1で行うインタビュー形式で、個々の詳細な意見や思考を引き出すための調査方法です。この形式には、以下のような特徴があります。
自由に考えを述べることで、グループインタビューでは引き出せない、個人的な意見や感情が明らかになる
思考を深く掘り下げ、より豊かな情報を得ることができる
1対1の形式は、参加者に対して負担が大きくなるため、グループインタビューよりも謝礼額は高めに設定する必要があります。インタビューを行う会場への移動が必要な「対面」の場合は、60分で最低5,000円ほどの謝礼が相場です。
移動時間や交通費を気にする必要がない「オンライン」の場合は、インタビュイーの負担が軽減されるため、謝礼は少し低く設定されることが多く、相場は3,000円~程度となります。
グループインタビュー
グループインタビューは、複数人のインタビュイーを同時に集め、司会者(モデレーター)が進行する形式のインタビューです。特徴として、以下のような点が挙げられます。
参加者同士の意見の相互作用が生まれ、単独のインタビューでは得られない発言が引き出される
個人インタビュー(デプスインタビュー)に比べ、1人あたりの発言時間が短くなるため負担が軽い
短時間で複数の人の意見を集められる
インタビュイー1人あたりの発言機会はデプスインタビューに比べて少ないため、対面・オンラインのどちらも謝礼相場が下がります。
ホームユーステスト
ホームユーステストとは、商品やサービスを調査対象者の自宅に送付して一定期間使用してもらい、その評価や感想を収集する調査手法です。継続して利用することで、効果や特徴が分かる商品をテストしたい時に用いられます。
一般的には使用後にアンケートによって評価や感想を収集しますが、アンケートだけでは得られない具体的な使用体験を確認したい場合などには、インタビューを実施するケースもあります。インタビューでは、商品やサービスの使用感、改善点、使用シーンなど、より具体的なフィードバックを得ることができるため、商品の改善やマーケティング戦略に役立つ重要な情報を収集できます。
使用してもらった商品やサービスを謝礼とするケースも多くありますが、インタビューの負担度合いによっては別途謝礼を支払うこともあります。
謝礼が不要なケース
インタビューを行っても、謝礼が不要なケースもあります。たとえば、街頭インタビューのように、不特定多数の人に対して短時間で済む簡単なインタビューをする場合などです。こうしたインタビューは、参加者が負担を感じることなく、素早く回答を得ることができるため、謝礼なしでも実施可能です。
しかし、あらかじめインタビュイーを集める必要がある場合は、謝礼がなければ参加者が集められない可能性が高いため、基本的には謝礼が必要であることを覚えておきましょう。
インタビューの謝礼金額を決める要素

インタビューに対する謝礼の相場を紹介しましたが、より詳しく謝礼金額を決める要素について解説します。謝礼金額は、以下のような要素によって決まります。
インタビュー形式
インタビュー内容の濃度
インタビューにかかる時間
インタビュー対象者
インタビュー形式
前述したように、
デプスインタビューかグループインタビューか
対面かオンラインか
といった、インタビュー形式によって謝礼金額は異なります。
たとえば、デプスインタビュー(個人)の場合、インタビュイーは一つの質問に対して深く思考を掘り下げながら、継続的に回答する必要があります。そのため、精神的・時間的な負担が大きくなる傾向にあります。この負担に見合う謝礼を用意することが重要です。
また、対面でのインタビューの場合は、移動時間や交通費も考慮する必要があります。そのため、謝礼に加えて、交通費を別途支給することも考慮しなければなりません。
インタビュー内容の濃度
インタビュー内容の濃度(難易度)によっても、謝礼金額を調整しましょう。難しいテーマのインタビューなら、その難しさに比例して謝礼も高くする必要があります。
相場程度で良いシーン
日常的に使用している商品の満足度調査
簡単な選択肢から選ぶアンケート形式のインタビュー
謝礼が高めになるシーン
専門的な知識や経験が求められる(例:医師、弁護士、エンジニアへのインタビュー)
記憶を遡って具体的なエピソードを詳細に話す必要がある(例:過去の購買理由の深掘り)
感情や価値観に深く踏み込むテーマ(例:人生の転機やキャリア選択の理由)
特に考えたり思い出したりしなくても答えられるようなインタビューであれば、インタビュイーの負担は少ないため相場程度でも問題ありません。しかし、答えるために考えなければならなかったり、専門知識が必要になったりするようなインタビューは、インタビュイーの負担が大きくなるため、謝礼も高くする必要があります。
インタビューにかかる時間
前述の謝礼相場は、すべて60分あたりの金額です。そのため、インタビューにかかる時間が長い・短い場合は、それに合わせて謝礼の金額を調整しましょう。
たとえば、対面の個人インタビューは60分あたり5,000円ほどが相場ですが、これが120分で金額が同じだった場合はどうでしょう。出かける用意をする時間や移動時間まで考慮した場合、「参加しよう!」と考える人は少なくなってしまうはずです。そのため、120分なら8,000~10,000円程度に謝礼金額を上げた方がよいでしょう。
また、対面の場合は短時間で済ませて謝礼も安くすると、移動に手間がかかる分インタビュイーを集めにくくなる可能性があります。インタビュイーの移動にかかる手間やコストも考慮し、インタビュー時間も設計してください。
インタビュー対象者
著名人や専門家への個人インタビューの場合、謝礼が一般的な相場より高くなる傾向があります。医師や弁護士など、対象者によっては謝礼金額が数万円必要になることもあるでしょう。
ただし、取材相手のプロモーションを兼ねたインタビューであれば、無償で引き受けてもらえるケースもあります。インタビュー対象者の立場や目的によって謝礼の相場は大きく変わるため、ケースごとに適切な対応を考えましょう。
インタビューに対する謝礼の種類
インタビューに対する謝礼には、主に現金、ギフトカード、自社製品やノベルティ、デジタルギフトのような種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、特徴を把握してから謝礼を選ぶことが大切です。では、謝礼の種類について詳しく解説します。
現金
現金は、ほかの謝礼と比べて受け取った方がもっとも自由に使えるため、インタビュイーを特に集めやすいでしょう。しかし、謝礼として現金を用意すると、以下のデメリットがあります。
現金の用意に手間がかかる | インタビュー対象者の人数分の現金を用意する必要があり、特に細かい金額の場合は時間と労力を要する |
---|---|
梱包のコストがかかる | 現金を送付する場合は、書留などの適切な梱包が必要となり、追加のコストと手間が発生する |
現金の管理にリスクが伴う | 現金を扱うことで、紛失や盗難などのリスクが生じる |
送金に手間がかかる | 銀行振込の場合、一人ひとりの口座情報を確認し、送金作業を行う必要がある |
このように、現金による謝礼は意外とデメリットが多いのです。そのため、以下で紹介する現金以外の謝礼も検討してみましょう。
ギフトカード
現金の代わりに、謝礼としてギフトカードを贈ることもあります。ギフトカードにはさまざまな種類があり、それぞれ使える店舗やブランドが異なります。
ギフトカードを謝礼とする場合、
本に関するインタビューで図書券を進呈する
ゲームアプリのインタビューでApple Gift CardやGoogle Play ギフトカードを進呈する
といったように、インタビューテーマに沿ったものを選ぶという方法があります。インタビューテーマに適したインタビュイーを効果的に集められるでしょう。
インタビューテーマに合うギフトカードがないのであれば、「使用可能な店舗の種類が多い」「オンラインでも使用できる」といった利便性が高いものを選ぶことが大切です。
ただし、現物のギフトカードを謝礼にする場合、梱包・発送や在庫管理の手間とコストが発生します。
自社製品やノベルティ
謝礼として、自社製品・サービスやノベルティグッズを贈る方法もあります。自社の製品やサービスを活用することで、謝礼にかかるコストを抑えつつ、ブランド価値も高める効果も期待できるでしょう。
ただし、金銭的な謝礼と比べて「見合わない」と感じる可能性も高いです。基本は金銭をベースにし、ノベルティは補助的な位置付けとするのが望ましいでしょう。
一方、元々自社ブランドのファンといったロイヤルティの高い顧客を対象にする場合、自社製品・ノベルティでも十分価値を感じてもらえる可能性はあります。
デジタルギフト
最近では、デジタルギフトをインタビューの謝礼として活用する企業も増えています。デジタルギフトは現物ではないため、梱包・発送・在庫管理の手間がかからず、盗難や紛失のリスクもありません。
謝礼を直接手渡せないオンラインインタビューの場合も、メールなどで送付できるため、簡単かつスピーディに贈れます。
また、デジタルギフトの中には、受け取った人が好きな電子マネー・ポイント・商品引換券・ブランド独自のギフトカードなどから選べるギフトを扱うものもあります。そのようなギフトを用意すれば、利便性が高く、多くのインタビュイーに喜ばれる謝礼になるでしょう。
インタビュー謝礼にはデジタルギフトが最適

インタビュー謝礼には、デジタルギフトが最適です。メールなどでスムーズかつスピーディに渡せて、贈る側にも受け取る側にもメリットがあります。
▼企業側のメリット
対面でもオンラインでも、すぐに送付可能
振り込みや現物発送の手間やコストが不要
選択肢が豊富で、回答者の満足度も高い
▼インタビュイー側のメリット
振り込みを待たずにすぐ受け取れる
受け取ったらすぐに使用できる
現物のギフトカードのように持ち歩く手間や紛失のリスクがない
カフェのドリンクチケットやQUOカードPay、Amazonギフトカードなど、インタビューテーマやインタビュイーの属性に合わせて選べます。また、受け取った方が好きな商品を選べる形式のデジタルギフトであれば、幅広いニーズに対応でき、インタビュイーを集められるでしょう。
インタビューやアンケート謝礼にデジタルギフトを検討しているご担当者様へ
インタビューの回答数を確保するためには、適切な謝礼の設計が欠かせません。その手段の一つとして、デジタルギフトの活用が注目されています。
従来の郵送型の謝礼とは異なり、スマホで簡単に受け取れるデジタルギフトなら、発送の手間やコストを削減でき、迅速な配布が可能です。
本資料では、デジタルギフトの基本から具体的な活用例、導入メリットまでを詳しく解説しています。ぜひご活用ください。
インタビュー謝礼送付時に使える具体的な例文の紹介
インタビュー謝礼のギフトを送付する際に添えるメッセージには、以下の内容を盛り込む必要があります。
アンケート協力へのお礼の言葉
アンケート内容の活用指針
お礼の品に関するご案内
問い合わせ先
基本をおさえ、インタビュイーに失礼のない内容のメールを送付しましょう。
ここからは、インタビュー謝礼のギフトを送付する際に添える具体的な例文をご紹介していきます。ギフトの種類や媒体別に紹介しているので、インタビュー謝礼送付の文面作成の参考にしてみてください。
①メールの例文(デジタルギフトの場合)
件名:(商品名やサービス名)に関するインタビューへのご協力の御礼
本文:いつも大変お世話になっております。XX株式会社でございます。 この度はお忙しい中、(商品名やサービス名)に関するインタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました。 ご回答のお礼として、(ギフト内容)をお送りいたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ご利用方法について ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■以下のリンクへアクセスし、表示された画面に従い、ご利用ください。 http://xxxxxxxxxxxx.xx.xx ※各ギフト会社指定の文章をお入れください。
【注意事項等】 *ギフトのご利用は、期限がございます。また期限の延長は致しかねますので、ご了承ください。 *スマートフォンでご利用ください。 *スクリーンショットではご利用いただけません。 *都合により、商品内容が変更になる場合がございます。 *当選権利の換金・他人への譲渡はできませんのでご注意ください。 *いかなる理由があっても再発行は致しかねます。 *転売することはできません。 *本キャンペーンに関して応募者が被った損害または損失などについては、 当社の故意または重過失に起因する場合を除き、当社は一切の責任を負わないものとします。
いただいた貴重なご意見は、当社店舗内でのさらなるサービス向上のために活用させていただきます。ご不明な点がありましたら、メール下部のお問い合わせ先までご連絡くださいますようお願いいたします。 今後も、皆様からのお声に真摯に耳を傾け、より一層のサービス充実に努めてまいります。今後ともお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼お問い合わせ XX株式会社 E-mail:XXXX
②メールの例文(物理ギフトの場合)
件名:【プレゼント送付のご案内】(アンケート名や社名など)
本文:いつも大変お世話になっております。XX株式会社でございます。 この度はXXXインタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました。 インタビューへのご協力の御礼として、ご回答時にご入力いただいたお客様のご住所宛に、プレゼントを発送させていただきます。 お届けはXX月XX旬頃を予定しておりますので、ご到着までお待ちください。
※諸事情により発送に遅れが生じる場合がございますので、ご了承ください。 ※プレゼントの発送は日本国内に限らせていただきます。 ※発送先登録時の誤記、転居先不明、長期不在などによりプレゼントをお届けできない場合には、当選を無効といたします。
インタビューにて貴重なご意見をいただきありがとうございました。今後の活動に活かして参ります。 今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
【お問い合わせ】 XX株式会社 E-mail:XXXX
③お礼状の例文(物理ギフト)
拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 このたびはXXXX(商品名やサービス名など)に関するインタビューへのご協力、誠にありがとうございました。 いただいた貴重なご意見につきましては、今後より皆様のお役に立てるよう、商品開発やサービス向上などに役立てさせていただきます。 なお、インタビューご協力への謝礼として、心ばかりのお礼の品を同封いたしました。 今後とも一層のご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
敬具
まとめ
この記事では、インタビューの謝礼の相場や種類について解説しました。
インタビューの謝礼は、単に金額を設定すればよいものではなく、「インタビュイーの負担に見合った対価であるか」という視点が重要です。インタビューの種類や長さ、専門性、対面かオンラインかといった要素によって適切な謝礼を設定することで、参加者のモチベーションを高め、より質の高い回答を引き出すことができます。
さらに、近年ではデジタルギフトを謝礼として活用する企業も増えています。デジタルギフトは、受け取りやすく即時性があり、物理的なコストもかからないため、特にオンラインインタビューに適しています。Amazonギフトカードや電子マネー、ポイントなどは、インタビュイーにとっても利便性が高く、謝礼としての満足度を高める手段の一つです。
適切な謝礼設計は最終的にインタビューの成功に直結します。単なるコストとして捉えるのではなく、「価値あるインサイトを得るための投資」として考え、インタビュイーにとっても納得感のある形を目指しましょう。