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2026/08/03

保険キャンペーンのギフト規制|OK例やNG条件でルールをわかりやすく解説

2308_保険業法 KV

保険業界では、保険業法をはじめとした法令によってギフトのプレゼントが規制されています。ただ、成約・販売推進が目的でない場合や、前払い式支払い手段でない場合などは、プレゼントできる場合もあります。

そのため、実施するキャンペーンのギフトが保険業法に抵触していないか、渡してよいギフトの基準をクリアしているかなどを事前に確認することが重要です。判断に迷う場合は、法律の専門家や社内の法務部門に相談するのが確実でしょう。

とはいえ、企画を考えるためにも、どのようなケースが問題となるのか、大まかな判断基準は知っておきたいところです。

本記事では、保険業界のキャンペーンでプレゼントが禁止されるケースやギフトの使用が認められるケースについて解説します。保険業界のキャンペーン事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

※本記事の内容はあくまで株式会社ギフティ(以下、ギフティ)としての見解であり、本記事の内容が法令の解釈に適合していることを保証するものではなく、本記事の内容に基づいて生じたいかなる損害についてもギフティは一切責任を負いません。また、ギフトのプレゼントや使用に関する最終判断は、キャンペーン実施企業様に委ねています。

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『保険相談で商品券をプレゼント』のキャンペーンはNG

保険業界のビジネスでは、契約成立に向けた情報提供のプロセスとして、保険相談が欠かせません。その一環として、集客のために商品券の配布を行いたい場合もあるかと思います。

しかし、2017年に金融庁や保険業界の団体から金券配布の自粛を求める通知が出された結果、保険勧誘において商品券をプレゼントする行為は原則禁止となりました。

商品券だけでなく、図書券やビール券などのプレゼントも不適切という見解が保険業界における共通認識となり、“金券は配布しない”という風潮が現場に広まり、現在に至っています。

「特別の利益の提供」に該当するキャンペーンは原則禁止

保険勧誘における商品券や図書券などのプレゼントは、「特別の利益の提供」に該当するとして、保険業法で禁止されています。

以下は、保険業法第300条(保険契約の締結等に関する禁止行為)の内容です。

“五 保険契約者又は被保険者に対して、保険料の割引、割戻しその他特別の利益の提供を約し、又は提供する行為”

※引用:第三百条 保険契約の締結等に関する禁止行為|e-Govポータル

保険業法の「特別の利益の提供」に該当する例は下記の通りです。

  • サービス等の経済的価値及び内容が社会相当性を超える

  • サービス等が換金性の程度と使途の範囲等に照らして実質的に保険料の割引、割戻しに該当する

  • サービス等の提供が保険契約者間の公平性を著しく阻害する

参考:保険募集人の体制整備に関するガイドライン 令和4年7月6日(生命保険協会)

商品券やクオカード、図書券などは「換金性が高い」とみなされ、実質的に現金と同じ扱いになります。そのため、保険料の割引や割戻しとみなされ、明確なルール違反となってしまうのです。

保険会社でも金券やギフトなどの使用が認められるケース

保険業法_図1

保険業界において金券のプレゼントは控えなければいけませんが、すべてのケースで禁止されているわけではありません。以下のケースは金券やギフト券の使用が認められることもあります。

  • 成約・販売推進が目的でない

  • 前払式支払手段でない

1.成約・販売推進が目的でない

保険の勧誘において、金券をプレゼントして成約や販売を促すことは禁止されています。そのため、「保険の見積もり実施で商品券1,000円分プレゼント!」と見込み顧客を募り、自社の保険への乗り換えを促すことは問題となります。

ただ、成約や販売推進が目的でなければ問題はありません。例えば単なるお客様アンケートや満足度調査などは、「成約・販売推進を目的にしておらず、募集関連行為にはならない」と判断でき、金券類のプレゼントができる可能性があります。

2.前払式支払手段でない

先ほども触れた「特別の利益の提供」に該当するもので、「実質的に保険料の割引、割戻しに該当する」ものがあります。実質的に保険料の割引、割戻しに該当するものの例として挙げられるのが『前払式支払手段』のギフトです。

前払式支払手段とは、あらかじめお金を払っておいて、それを商品・サービスの購入の際に利用することができるものを指します。「資金決済法」では、次の4つの要件をすべて備えたものが前払式支払手段であると定義されています。

(1)金額又は物品・サービスの数量(個数、本数、度数等)が、証票、電子機器その他の物(証票等)に記載され、又は電磁的な方法で記録されていること。

(2)証票等に記載され、又は電磁的な方法で記録されている金額又は物品・サービスの数量に応ずる対価が支払われていること。

(3)金額又は物品・サービスの数量が記載され、又は電磁的な方法で記録されている証票等や、これらの財産的価値と結びついた番号、記号その他の符号が発行されること。

(4)物品を購入するとき、サービスの提供を受けるとき等に、証票等や番号、記号その他の符号が、提示、交付、通知その他の方法により使用できるものであること。

※引用:前払式支払手段発行業の概要(一般社団法人日本資金決済業協会)

これらの定義を踏まえると、具体的には商品券やカタログギフト券、IC型のプリペイドカード、インターネット上で使えるプリペイドカードなどが前払式支払手段に該当します。そのため、ギフトには利用できません。

ただし、上記の4つの要件を満たしていても、使用期間が発行日から半年以内のものや社員食堂の食券、市町村が発行する商品券などは適用除外となるものもあります。

保険キャンペーンは「3層規制」で判断する 

保険キャンペーンの設計が他業界と大きく異なるのは、保険業法・景品表示法・資金決済法の3つを同時に確認する必要がある点です。景表法だけ確認して施策を設計すると、保険業法や資金決済法の観点で実施不可となるケースもあります。そのため、保険業界では「景表法クリア=実施可能」ではなく、以下3層での確認が重要です。

3層規制の整理

規制法

判定対象

主要根拠

保険業法

「特別の利益の提供」に該当するか

成約誘引・募集関連行為に該当しないか 

景品表示法

景品類の金額上限(クローズド/オープン懸賞)

景品額・総額が上限を超えていないか

資金決済法

前払式支払手段に該当するか

商品券・プリペイド型に該当しないか 

このように、「保険業法で目的に問題がないか」 → 「景表法で金額上限に問題がないか」→「資金決済法でギフトの種別に問題がないか」 → という3重のフィルターを通すことで、法的リスクやコンプライアンス上の懸念を最小限に抑えた安全なキャンペーン設計が可能となります。

保険キャンペーンで確認すべき4ステップ

ステップ1|成約・販売推進が目的か

保険契約の締結や販売促進を目的とする場合、保険募集関連行為として「特別の利益の提供」に該当する可能性があります。

一方で、アンケート謝礼やLINE友だち追加施策など、募集行為との関連性が低い施策については、個別判断の余地があります。

ステップ2|ギフトが「前払式支払手段」に該当しないか

資金決済法上の「前払式支払手段」に該当する場合、実質的に金銭的利益の提供とみなされる可能性があります。一般的に、以下のようなギフトは慎重な判断が必要です。

  • 商品券

  • QUOカード

  • 図書券

  • IC型プリペイドカード

  • 汎用型デジタルギフト

一方で、利用先が限定されたギフトや、一定条件下の体験型ギフトなどは、個別判断となるケースがあります。

ステップ3|「使途の範囲」と「社会相当性」を確認する

生命保険協会のガイドラインでは、ギフトの可否判断において「使途の範囲」と「社会相当性」が重要視されています。

例えば、

  • 特定店舗のみで利用可能

  • 利用用途が限定的

  • 数百円〜数千円程度

といったケースは、比較的許容されやすいと考えられる場合があります。

一方で、

  • 幅広い用途で利用可能

  • 複数ブランドから自由選択可能

  • 高額インセンティブ

などは、慎重な検討が必要です。

ステップ4|景品表示法の上限を超えていないか

保険契約の締結や見積もり等、取引に付随してギフトを提供する施策(取引付随性がある場合)は、景品表示法に基づく景品類の上限規制の確認が必要です。例えば「一般懸賞」に該当する場合、以下の制限が設けられています。

  • 取引価額5,000円未満:景品類の最高額は取引価額の20倍まで

  • 取引価額5,000円以上:景品類の最高額は10万円まで

なお、誰でも自由に応募できる「オープン懸賞」は景品表示法上の景品規制の対象外となりますが、保険キャンペーンの場合は、別途「保険業法(特別の利益の提供)」や「資金決済法」の規制に抵触しないかを確認する必要があります。

この4ステップを踏むことで、保険キャンペーンにおけるギフト施策のリスクを整理しやすくなります。ただし、実際の適法性判断は施策内容・訴求方法・ギフト内容によって変わるため、最終的には法務・コンプライアンス部門や専門家へ相談することをおすすめします。

保険業界でキャンペーンを行う場合のポイント

保険業界では、保険業法の法令によってギフトのプレゼントが原則規制されています。しかし、ルールを守ればギフトをプレゼントできる場合もあるので、キャンペーンを行う際は以下のポイントを押さえて実施しましょう。

  • 「使途の範囲」と「社会相当性」を考えてギフトを選定する

  • 保険・金融業界のサポート実績が豊富なギフト提供会社を活用する

『使途の範囲』と『社会相当性』を考えてギフトを選定する

保険業法_図2

一般社団法人生命保険協会の「保険募集人の体制整備に関するガイドライン」によれば、保険関連のキャンペーンで使用するギフトは下記の3点を満たし、「使途の範囲」と「社会相当性」の程度を踏まえて可否の判断を行います。

  1. 現金・電子マネーではない

  2. 現金・電子マネーに交換(チャージ)できない

  3. 前払式支払手段に該当しない

使途が限定されており、かつ社会相当性の範囲内(少額かつ妥当な金額)であるギフトは許容されやすく、一方で複数種類から自由に選択可能なギフトは使途が広い(汎用性が高い)として慎重な評価(またはNG判定)とされる可能性があります。

保険・金融業界のサポート実績が豊富なギフト提供会社を活用する

保険業界でギフトをプレゼントする場合は、最終的には自社の判断で商品を選ぶ必要があります。そのため、実施するキャンペーンのギフトが保険業法に抵触していないか、「使途の範囲」と「社会相当性」の基準をクリアしているかなどをチェックした上で行わなければいけません。

自社のみで判断が難しい場合は、保険・金融業界での実績が豊富なギフト提供会社を活用するのがおすすめです。法律やルールを遵守しつつ、自社に最適なキャンペーンを実施できるでしょう。

使途×社会相当性 2軸マトリクスでの自社施策セルフ判定テンプレ

前章の「使途の範囲」と「社会相当性」の2軸を、施策設計時にセルフ判定できるテンプレとして整理しました。社内法務・コンプライアンス相談の前に、自社の施策が「OK ゾーン」「グレー ゾーン」「NG ゾーン」のいずれに該当するかを点検できます。

2軸マトリクス

社会相当性(金額の妥当性) 高 │ │  グレー         NG ゾーン │ (要 法務確認)    (実施不可) │ │  OK ゾーン       グレー │ (実施可能)     (要 法務確認) │ └──────────────→  使途の範囲 低                高

ゾーン別の対応指針

ゾーン

条件

具体例

対応

OK

使途が狭い × 社会相当性内(低額)

カフェチェーン限定 500円分・特定アイスクリーム引換用デジタルギフト

実施可能(資金決済法・保険業法クリア前提)

グレー(右下)

使途が広い (選択型)× 社会相当性内(低額)

受け取り側選択型(複数ブランド選択型)デジタルギフト 500円分

法務・コンプライアンス部門へ事前相談推奨(※選択肢の範囲により判断が分かれるため)

グレー(左上)

使途が狭い × 社会相当性超過(高額)

特定店舗・特定商品専用ギフト 10,000円分

金額の見直しが必要(過大な特別利益とみなされるリスクが高いため) 

NG

使途が広い(汎用型) × 社会相当性超過(高額)

汎用商品券 10,000円分・複数ブランド選択型ギフト 5,000円分

原則実施不可(「特別の利益提供」や資金決済法に触れる可能性が高い) 

自社施策の点検フロー

  1. 自社施策のギフトを「使途の範囲」軸でマッピング(特定店舗限定 〜 複数ブランド汎用)

  2. 金額を「社会相当性」軸でマッピング(数百円〜数千円 が一般的相当性内) 

  3. 2軸の交点でゾーン判定 

  4. OK ゾーン以外は、法務・コンプライアンス相談 or 施策設計の見直し

なお、3軸目(成約・販売推進が目的か否か)の判定は前章の3層判定フローのステップ1で実施します。このマトリクスは「使途×社会相当性」2軸を可視化するためのものなので、3層判定フローと組み合わせて使うことを前提に活用してください。

配布が認められる可能性のあるギフトの例

保険業界においてギフト施策を安全に運用するためには、具体的な成功事例や適法と判断されやすい傾向を把握しておくことが近道です。本章では、実際に配布が認められる可能性が高い施策の例として、具体的なシチュエーションと、それらに適したギフトの選び方について解説します。

見積もりの謝礼にギフトをプレゼントする場合

ある保険会社様では、火災保険の見積もりを依頼した方にカフェチェーンで使用できるデジタルギフト数百円分をプレゼントするキャンペーンを実施したケースがあります。

見積もり作成等の募集関連行為に伴いギフトを景品として提供する場合、例え無償配布であっても、汎用性の高いギフト(商品券や各種電子マネー等)の提供は『特別の利益の提供』として禁じられています。ただし、提供されるギフトが自社ノベルティや少額かつ用途の限られた品物であり、社会通念上妥当な範囲(社会相当性)に収まる場合は、特別の利益には該当しないと判断されることがあります。

LINE友だち追加の抽選プレゼント

LINE友だち追加でのギフトプレゼントではどうでしょうか。

保険会社のLINE公式アカウントにおいて、保険に関する情報を一律に配信したり、ユーザーの質問に対して設定された返信をしたりする程度にとどまるのであれば、 保険会社の公式アカウントをLINEの友だちとして登録させる行為は、直接的に保険契約を勧誘する行為と比較して、保険契約加入の契機となる可能性は低いと思われます。

ある保険会社様では、LINE公式アカウントを友だち追加して、簡単なアンケートに回答した方に対して、抽選でアイスクリームのデジタルギフトを贈るキャンペーンを実施した事例があります。

このような事例をふまえると、保険業界であっても、LINE友だち追加を条件とするギフトキャンペーンの実施は可能と判断されるケースもあります。

ただし、LINEの友だち追加を促す行為は、保険加入とまったく関係ない行為と言い切ることは困難であるため、最終的にはギフトの内容も含めて、各施策において具体的にご検討いただく必要があります。

事例|新規LINE公式アカウントの友だち登録増加を目的にデジタルギフトを活用

ここでは弊社の事例を参考に、保険業界でのキャンペーン実施事例を紹介します。

顧客へのサービス向上のためにLINE公式アカウントを新規開設し、その上で友だち登録者数の増加を目的としたキャンペーンを実施された保険会社様がいらっしゃいます。同社様はLINE友だち追加キャンペーンとアンケートキャンペーンの二つを実施。それぞれの対象者にえらべるデジタルギフトをプレゼントされました。

その結果、友だち登録者数の目標17万名を約4か月で達成。お客さまや代理店からも好評なキャンペーンとなり、保険業法を考慮したギフトで新規顧客獲得に成功されました。

この事例についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

よくある質問(FAQ)

保険キャンペーンにおけるギフト配布や保険業法に関するルールについて、多く寄せられるご質問とその回答をまとめました。企画検討時の疑問解消にお役立てください。

Q. Amazonギフトカードや商品券は保険キャンペーンで利用できますか?

Amazonギフトカードや商品券など、換金性が高いギフトは特別の利益の提供に該当する可能性があります。特に保険契約の締結や販売促進を目的としたキャンペーンでは、保険業法上の問題となるおそれがあるため、慎重な判断が必要です。

Q. 保険相談や見積もりの謝礼としてギフトを配布できますか?

一律に禁止されているわけではありません。キャンペーンの目的やギフトの内容、社会相当性などを踏まえて個別に判断されます。実施前には、自社の法務・コンプライアンス部門へ確認することをおすすめします。

Q. LINE友だち追加キャンペーンでギフトを配布しても問題ありませんか?

LINE公式アカウントの友だち追加を条件としたキャンペーンでも、保険募集との関連性やギフトの内容によって判断が異なります。実際に実施事例はありますが、すべてのケースで問題ないとは言い切れません。キャンペーンの内容を踏まえた個別の検討が必要です。

Q. 少額のギフトであれば問題ありませんか?

金額の少額さだけで判断することはできません。例えば数百円程度であっても、Amazonギフトカードや商品券のように使い道が広いもの(汎用性が高いもの)は「特別の利益の提供」とみなされるリスクがあります。金額だけでなく、使途の範囲やキャンペーンの目的などを総合的に判断する必要があります。

Q. ギフトが保険業法に抵触するか判断に迷った場合はどうすればよいですか?

保険業界では、キャンペーンの目的やギフトの内容、実施方法などによって判断が異なります。自社だけで判断せず、法務・コンプライアンス部門や必要に応じて専門家へ相談した上で実施することをおすすめします。

まとめ

本記事では、保険に関するキャンペーンでギフトのプレゼントが禁止されるケースやギフトの使用が認められるケース、保険業界でキャンペーンを行う場合のポイントについて解説しました。

保険業界でギフトをプレゼントするときは、最終的に企業様の判断で商品を選ぶことになります。ルールに違反しないためにも、実施するキャンペーンのギフトが保険業法に抵触していないか、渡してよいギフトの基準をクリアしているかなどをしっかり精査するようにしましょう。

もし、自社のみでの判断では不安な場合は、保険・金融業界の実績が豊富なギフト提供会社を活用するのがおすすめです。法律やルールを遵守することはもちろん、自社のビジネスに効果的なキャンペーンが実施できます。

ぜひキャンペーンを活用して、自社の経営発展につなげていきましょう。

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