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三井住友カード株式会社

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インタビュー
三井住友カード株式会社 ロゴ
2022/07/07

リアルタイムなギフトでキャッシュレスの楽しさを伝える

企業と顧客が継続した関係を作る、いわゆるリテンションと言われる取り組みは一般的なマーケティング手法となっています。ブランドやサービスのファンを醸成し、定期的な利用だけではなく、評判をシェア、さらには知り合いへの紹介など、多くのメリットを企業にもたらしてくれます。

関係構築のため、企業は有益な情報や楽しめるコンテンツをメールやSNSなどさまざまなチャネルを通じて送り、継続的なコミュニケーションを図っています。その中で、海外ではギフトを活用したマーケティング『ギフトマーケティング』という考えが広まっており、カスタマー・インセンティブ・プログラムという手法が主流となっています。企業に対して有益な行動を継続的にとる顧客に対して、適切なタイミングで、適切な商品を送ることで感謝の思いを伝える取り組みです。例えば、簡単なアンケートを回答した顧客に対して、2週間後に少額の金券を郵送で送るのではなく、コンビニエンスストアでコーヒーがすぐに交換できるデジタルギフトをメールで送った方が喜ばれます。思いを伝えるためには、受け取り手の体験づくりも含めて考えることが重要です。

これらの手法を国内で実践している企業は少ない中、三井住友カード株式会社は、デジタルギフトを活用したカスタマー・インセンティブ・プログラムを自社のサービスに取り入れ、事業全体を底上げするリテンションにつなげています。そこで今回、利用者へのインセンティブとしてデジタルギフトを選択した狙いや、その活用法について、IT戦略部で主にアプリの企画・運用を担当する大埜喬さん、そして、マーケティング全般の設計を行うマーケティング本部で、主に既存顧客とのリテンション向上の施策を進めている嶋田一毅さんと同部の元木優駿さんに話をうかがいました。

ターゲットユーザー
ターゲットユーザー
年代

20-60代
男女比

5:5
地域

全国
利用ギフト
利用ギフト
単一ギフト
単一ギフト弊社ラインナップの中から企業が1つのギフトを指定してお客様に贈る方式です。ギフトURLの受取手は、指定されたギフトのみを受け取ります。
利用サービス
利用サービス
giftee API
giftee API企業様のシステムと接続してデジタルギフトをリアルタイムに発行することができるAPIです。 仕様書をお渡しし、無料でご利用いただけます。
課題
アプリ利用の体験に見合ったギフト配布の設計

Vpassアプリの「利用通知スタンプカード」でワクワク体験を

smcc 大埜さん

三井住友カード株式会社 IT戦略部 大埜喬氏。Vpassアプリを担当

決済のキャッシュレス化が加速度的に進む中で、クレジットカードは、二次元バーコードや電子マネーなどに並ぶ主要なプレーヤーであることに異論はないでしょう。誰もが複数のカードを所持し、利用する場面に合わせて使い分けることが一般的になってきているが、では、利用するカードはどのような基準で選ばれているのでしょうか。

クレジットカードを選ぶ理由として多くあげられたのが「ポイント還元率が高い」「年会費が安い」「キャンペーンが魅力的」などがあります(※1)。所持するカードのステータスより、実利面でメリットがあることが重視されていると言えそうです。

そのような中、三井住友カード株式会社(以下、同社)では"Have a good Cashless."というキーメッセージをかかげ、利用者に"楽しいキャッシュレス体験”と具体的なメリットを提供する施策を進めています。同社は90年代末から、オンラインで請求額や獲得ポイントの確認、各種手続きなどが可能となるウェブサービス「Vpass」を展開して利用者の利便性向上を図るなど、業界内でも先行した取り組みを進めてきました。クレジットカードの発行では、NLカードをはじめとしたプロパーカードや提携カードなどを含め200種類を超えるカードを発行、直近では、年間約300万件の新規入会の獲得など、若年層を中心に大きくシェアを伸ばすなど、クレジットカード業界において国内最大規模のカード会社です。

2014年以降はスマホの普及に合わせてアプリにも「Vpass」を拡大。以降、数回の大規模なリニューアルやUIの改善、機能追加などのアップデートを重ねていく中、2020年3月にローンチしたのが、デジタルギフトの仕組みを活用した「利用通知スタンプカード」です。 これは、500円以上のクレジットカード利用で1回、アプリ内のカードにスタンプが押され、20個スタンプが貯まると、カフェなどで使える電子チケットや、Vポイントギフト(「Vポイント」アプリにチャージすることで、店頭やネットショッピングのお支払いに利用できるギフト)をもらえる仕組みです。

Vpassアプリには、カード利用の直後に、プッシュ通知が送られてくる「利用通知サービス」機能が実装されているが、「ご利用通知スタンプカード」は、その機能と連動しており、500円以上のカード利用があれば、ほぼリアルタイムでカードにスタンプが増えていきます。

このサービスの狙いについて同社 IT戦略部 大埜喬さんにうかがいました。

大埜さん: 「アプリの機能改善にあたって、お客様に、楽しみながらカードやアプリの利用頻度を増やしていただく方法はないかと考えていました。そのなかで出てきた案が、このスタンプカードです。これなら、スタンプを貯める達成感と、賞品をもらえる喜びを味わっていただけるはずです」

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スタンプが20個たまるとプレゼントの受け取り画面に変わりすぐにプレゼントが受け取れる

ただコスト面などを考えると、あまり豪華な賞品を用意することは現実的には難しいです。そこで大埜さんが考えたのが、インセンティブの豪華さよりもリアルタイムで受け取ることができるという"楽しさ"を提供することです。同社では、現在でも、スタンプカードとは別にクレジットカードの利用金額に応じて1ヶ月、2ヶ月先にインセンティブが付与されるサービスは実施しています。

大埜さん: 「スタンプカードのインセンティブのような、ちょっとしたご褒美がしばらくしてから送られてきても、正直、あまり嬉しくないですよね。貯まったその場でぱっと賞品をもらえて、ぱっと使える。それがスタンプカードの楽しみだと考えました」

仕組みの鍵となったリアルタイム性と達成の難易度

ただ、Vpassアプリ単体では、大埜さんが構想するリアルタイム性の実現は難しそうでした。そこで大埜さんが採用したのが、デジタルギフトの仕組みでした。

大埜さん: 「利用通知を受信してスタンプを貯めることは、アプリ内でできます。そこから先、つまり『規定数までスタンプが貯まったらその場で抽選を始め、インセンティブを付与する仕組み』をどう構築するか。そこが課題でしたが、そのときに頭に浮かんだのが、デジタルギフトの活用でした。それによって、20個のスタンプが貯まった段階でデジタルギフトサービスのサイトに遷移し、自動で抽選アニメーションが流れ、結果表示までされるという仕組みが実現できました」

もうひとつ、リアルタイム性に加えて、こだわったのが"達成の難度”だそうです。

大埜さん: 「達成条件の"500円以上の利用を20回"という設定には苦慮しました。簡単に達成できてもあまりうれしさを感じられないし、反対に達成が難しすぎても、このサービスを利用しようと思わないでしょう。仕事帰りや外出時にコンビニで買物をするような方が、ちょっと気をつければ普通に達成できるという点が、支払いの際に弊社のクレジットカード払いを選んでいただく動機になっていることは十分ありうると思っています」

実は、リアルタイム性と達成難度については大埜さんの読み通りで、スタンプ履歴が更新される月末に駆け込みでカードを利用して、規定の20個のスタンプを貯めるという利用者もよくいるそうです。

大埜さん: 「今回の施策は、スタンプを集めている方のカード利用頻度を1ヶ月あたり数回増加させることを目標にしていますが、効果検証の結果、対象者のカード利用回数は想定通り増えていました」

とスタンプカードの成果について、ユーザーの継続利用を表すリテンションの効果として実感しています。

他サービスにも広がるデジタルギフトの活用

smcc 嶋田さん

三井住友カード株式会社 マーケティング本部 嶋田一毅氏。定期払いチャンスを担当

次に同社がデジタルギフトを取り入れたのが、2022年3月に新設されたサービス「定期払いチャンス」です。公共料金やサブスクリプションサービス等の定期的に支払いが発生する加盟店(以下、定期払い)でのカード利用促進を目的としています。顧客は、定期払いのお支払いに同社カードを利用すると、毎月抽選でVポイントギフトがもらえます。定期払いの利用件数に応じて抽選券を配布するルールとなっており、たとえば、電気料金、ガス料金、サブスクリプションサービスの支払いが各1件あれば、3回の抽選の権利がもらえます。

クレジットカード業界では、自社のカードを定期払いに利用してもらうことで、顧客側のメインカード化が促進され利用機会を創出することができます。そのため、各社ともに積極的に推進する領域ではあるもののキャンペーンなどの一過性の取り組みで終始する中、同サービスは継続して価値を提供し続けることで競合他社との差別化を実現しています。

定期払いチャンスの狙いについて、同社 マーケティング本部 嶋田一毅さんにうかがいました。

嶋田さん: 「カードご利用額に応じて貯まるポイントサービスはどのカード会社でも当たり前のように提供されているサービスとなりますが、定期払い領域限定ではあるものの、恒常的なサービスとしてインセンティブを提供し、また継続的なワクワク感を提供しているのは弊社だけだと思います。スタンプカードと同様、抽選でちょっとした楽しみを感じていただくことが、弊社が掲げる"Have a good Cashless"というキーメッセージに合致したものだと考えています」

「定期払いチャンス」も「スタンプカード」同様、抽選の結果、当選者にはリアルタイムでVポイントギフトを提供する、リアルタイム性が導入のポイントになったそうです。

嶋田さん: 「従来、各キャンペーン景品としてVポイントギフトを設定した場合、当選者へのギフトコードをメールで送っているのですが、送信作業に相応の工数が必要、また、メールが届かなかったりと課題があります。そこで、『スタンプカード』と同じデジタルギフトの仕組みを取り入れることで、当選発表とプレゼント提供を同時に実現しようと考えました」

また実はほかの決済サービスも意識していたと明かしてくれました。

嶋田さん: 「二次元バーコードによる決済を提供する事業者のなかには、お客様が決済すると同時に抽選と特典の提供を実施する事業者が多くあります。そうなると、お客様は、『決済サービスの特典というのは、その場ですぐにもらえるもの』と、即時性を期待するようになると思います。私自身も一消費者としてお買い物と同時に得られる特典提供は魅力的な顧客体験だと捉えていますので、我々としても、少しでもお客さまの期待に応えられるよう、デジタルギフトの仕組みを活用するのが最適だと考えました」

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三井住友カード株式会社 マーケティング本部 元木 優駿氏。嶋田氏のもとで、定期払いチャンスを担当

同社 マーケティング本部 元木優駿さんも、「お客様に『何かをもらえた』と感じていただけるのは大きなメリット」と話します。

元木さん: 「『定期払いチャンス』の特典設計として一定額のキャッシュバックのような仕組みを取り入れ、そのキャッシュバックを公共料金やサブスクのお支払いに充当するという特典も考えられますが、それよりも『当選者にはVポイントのギフトコードが送られてくる』というほうが、お客様には、特典を手にしたという実感を得られるのではないでしょうか」

定期払いチャンスは、開始してまだ間もないため、具体的な成果を数値で検証するのは難しいものの、SNSなどでは好意的なコメントが見られるそうです。

元木さん: 「リリース当初『支払いがひとつにまとまっていると見やすい』『公共料金やサブスクは三井住友にまとめようかな』などのつぶやきがありました。抽選の回数も増えていますし、お客様の間で認知が広がりつつある手応えは感じています」

事業の底上げやプロジェクトの運用面にメリットを与えるデジタルギフト

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このように、デジタルギフトを活用した施策は、利用者にはリアルタイムでのキャッシュレス決済の楽しさを感じてもらえる一方、事業者にもメリットがあります。

大埜さん: 「電子マネーや二次元バーコードなどさまざまな決済手段があるなかで、スタンプカードや定期払いチャンスでの楽しみが弊社のクレジットカード利用の後押し、また、きっかけとなり、それによって売上や収益増にもつながっていくものと考えています」

デジタルギフトの利便性を活かし、“楽しさ”を実現したコンテンツはVpassアプリや定期払いチャンスを通じて事業全体の底上げに一役かっています。加えて、運用面についても大きなメリットを与えているそうです。

大埜さん: 「人力でプレゼントキャンペーンなどを実施した場合、希望する景品ごとに当選者を抽選して該当する住所情報を抜き出してリストを作成するのですが、個人情報を扱うので非常に神経を使ううえ、発送業者の選定なども厳しく、我々にとっては少なからず負担となっていました。この作業がなくなるのは、デジタルギフトの大きなメリットだと思います」

またデジタルギフトを活用していなかったら、「規定に達しているはずなのに賞品が届かない」「自分の達成状況を知りたい」などの顧客からの問い合わせも多かっただろう、とも明かしました。

利用者、そして事業者にとってのデジタルギフトのメリットを生かし、同社ではさらにデジタルギフトを活用した取組みを進めていく想定です。

嶋田さん: 「お客さまに数あるカードの中から選んで三井住友カードをご利用いただくためにも、今後も多様な施策を企画・実行していきたいてすし、リアルタイム性のようなワクワク感をお客様に感じていただけるキャンペーン設計は必須だと感じています。そのためにも、これからもデジタルギフトの仕組みはどんどん活用していきたいと思います」

(※1)「クレジットカードを選ぶ視点は、ズバリ!「お得感」“ステータス性が高いから”は16.5%のみ「新社会人のクレジットカードに関する意識調査」を実施」(株式会社エイチームフィナジー調べ)を参照 https://finergy.a-tm.co.jp/news/news0325/

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