もらった瞬間も、もらった後も嬉しいギフトでユーザーとのつながりを強化。長いお付き合いができるよう、ユーザー企業内でのブランド認知度向上を図る
株式会社Faber Company(ファベルカンパニー)は、SEOやコンテンツマーケティング強化のための「ミエルカSEO」、UI/UX改善のサポート等を行う「ミエルカヒートマップ」などのWebマーケティング支援サービスを展開しています。ミエルカシリーズは、Webマーケターやツールを利用する担当者からは高い支持を得ていましたが、顧客内で活用範囲を広げたり、多くの担当者に使ってもらい必要不可欠なツールになれるような取り組みを強化する必要を感じていました。
そこで、利用担当者の皆さまに「ミエルカ」のことを好きになってもらい、なくてはならないツールになるよう働きかけを行うべく、サービス利用者同士が交流をする場であるユーザー会を定期的に開催。今回は3年ぶりとなるオフラインイベント開催にあたり、より魅力的かつインパクトのある「おみやげ」を配布し、多くの参加者の記憶に残り、会社に戻った後も周りに伝えたくなるような演出を実施しました。
この施策の詳細について、執行役員・エグゼクティブマーケティングディレクターの月岡克博さんとミエルカ事業部 IMCグループ マーケティングチームの清水綾乃さんにお話をうかがいました。
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孤立しがちなWebマーケターをつなぎ、新規営業のための材料も集める
「ミエルカ」を導入している企業の担当者を集めて、ユーザー会を行っている理由を教えてください。
月岡さん:多くの企業において、Webマーケティングの担当者は少数精鋭で仕事をしています。同じ仕事をしている人が社内にはいないケースも少なくなく、業務上の悩みがあっても相談できる人がいないという課題があります。そこで同じような業務をやっている担当者同士をつなぎ、孤独感を解消できるようなイベントにニーズがあると考えました。「ミエルカ」を使うことで社外に仲間ができる仕組みを作りたかったんです。
執行役員・エグゼクティブマーケティングディレクター 月岡 克博さん
仲間がいるから「ミエルカ」を使い続けたくなるということですね。
月岡さん:ユーザー会を通じたエンゲージメント向上は、当社のマーケティング活動への影響も大きいんです。「ミエルカ」のような一瞬での理解が難しいサービスは、導入事例を公開することでお客様のニーズに応えやすくなります。ユーザー会で上手に「ミエルカ」を活用している企業を探し、事例になっていただけないか打診する。さらにセミナーやイベントで講演させてほしいとお願いしています。セミナー登壇もできるようなユーザーさんになっていくと、特別にお願いしなくてもエバンジェリストとなって「ミエルカ」の良さを広めてくれます。
ユーザー会はどのくらいの規模と頻度で開催しているのですか?
清水さん:小規模なものは四半期に一度。30〜50人ほどを集めて事例紹介のあとに懇親会を開いています。半期に一度は大規模な会も催しており、ホテルのバンケットルームを借りて、300人規模で開催したこともあります。
月岡さん:ここまで注力している理由は、「ミエルカ」を実際に使っている担当者に私たちの会社やブランドを好きになってもらうためです。バックオフィス系のシステムとは違って、私たちのサービスはそれ自体を使うことで仕事は完了しません。SEOに必要な調査分析を効率化し、示唆を得て施策に反映する。ゆえにNice to haveになってしまうこともあり、コストカットの対象になりやすい。しかし実務担当者が熱心に「ミエルカ」が必要である理由を説いてくれれば、契約を維持できる可能性が高まります。そこで、サービスの機能を充実させるだけでなく、担当者に「好き」でいてもらうアプローチが欠かせないと考えました。
それに、「好き」「いいサービス」という印象を担当者さんが持っていてくれていれば、仮に転職したとしても転職先の会社で「『ミエルカ』を使いたい」と言っていただけるかもしれません。実際に転職した先から「また使いたいから」とお問い合せいただくことも多く、そういう声を聞くと嬉しいですね。
3年ぶりのリアルな場でのユーザー会。集客に不安を覚えた
コロナ禍においては、ユーザー会はどのように開催していたのですか?
月岡さん:2020年から2022年の半ばまではオンラインに切り替えました。普通のウェビナー形式では印象に残らないと考えて、外部ゲスト講演をいれたり、3日連続でやるなど開催方法も工夫したんです。
オンラインユーザー会1回目のゲストには、株式会社ベイジの枌谷さんや株式会社ナイアンティック (当時)の足立さん、株式会社gramsの艸谷さんなど、あえてSEO以外のジャンルの専門家やマーケターをお招きし、いつもと違う視点からWebマーケティングを成功させる秘訣をうかがいました。
このオンラインユーザー会は3日間でのべ500人超の方にご参加いただくことができました。ゲスト登壇の方々のコンテンツも魅力的でしたし、オンラインなので地理的ハードルもなく全国から参加してもらうことができ、多くの担当者にユーザー会に参加していただくいい機会となりました。
2022年9月にはオフラインユーザー会を再開させているようですが、大盛況だったウェビナーから、リアルな交流会に戻した理由はなんですか?
月岡さん:やっぱり、リアルな場でコミュニケーションができるというのは特別な喜びがあります。正直、一方的な情報提供のウェビナーには飽きてきていましたし(笑)。最後まで本当にやるのか、できるのかと悩みましたが、コロナの感染状況が落ち着いてきていたので決行しました。
リアルでの交流会を開催するにおいて、課題はありましたか?
清水さん:やはりちゃんと集客できるかという点にはプレッシャーを感じていました。オンラインでは数を集めることには成功していたのですが、実際リアルとなるとどれくらい来てくれるのかと……。そこで来場を促進するための施策として、おみやげの配布とインビテーションカード郵送を起案したんです。
月岡さん:おみやげを制作することにしたもう一つの重要な理由は、このときのユーザー会を特別なものにしたかったからです。3年ぶりに会える「仲間」に特別感のあるおみやげを用意することで、「ミエルカ」をもっと好きになってもらおうと考えました。コロナ禍の大変な時期に足を運んでくださった方への感謝の気持ちも伝えたかったですし。ちょうど「ミエルカ」が7周年を迎えたので、記念になるものが作れる時期でもありました。
ギフティからの提案は、ユニークなアイデアがてんこ盛りだった
なぜギフティを利用することにしたのでしょうか?
月岡さん:もともとギフティさんとは定期的に情報交換をしていたのもあり、気楽な相談からはじめて、少しずつ形にしていきました。ギフティさんがデジタルギフトに強みがあることは知っていたのですが、モノのギフトの企画・制作もできると知り、長年”ギフト”と向き合ってきたギフティさんとなら素敵なギフトを一緒に考えられるんじゃないかと考えました。
実際にどんなコンセプトのおみやげを渡し、それを通して何を伝えたいのか。またインビテーションカードはどんな意味を持たせるのかというところの設計から、インビテーションカードを発行するところ、モノの制作までも全てサポートしてもらい、満足いくものを作ることができました。
「特別感」のほかにおみやげに込めた要素はなんですか?
月岡さん:多くの業務を抱えるご担当ですから、当社のことを考える時間、当社のツールを触っている時間はとても短いと思います。そこで、いつも「ミエルカ」とつながっていることを感じてもらいたいと思い、特徴的な猫のブランドロゴを強く意識できるものにしたいと伝えました。
清水さん:まだコロナの感染状況も気になる中での開催ということで、ユーザー会への参加には1社あたり2名ずつという人数制限を設けていました。そこで参加されなかった方にも分け合えるものを用意し、おみやげを持ち帰った会社でも「ミエルカ」のことを話題にしていただけるようにしようと考えました。
ギフティさんには何度もさまざまな案を出していただき、最終的に行き着いたのが、ブランドロゴをかたどったパッケージに入ったドリップコーヒーと、コーヒーと一緒にお楽しみいただけるナッツとタンブラーのセットです。ナッツも全種類試食をして、コーヒーに合うような本当に美味しいと感じられるものを用意することができました。
インビテーションカードも作ろうと思った理由を教えてください。
月岡さん:ユーザー会招待はメールで送ることが普通でしたが、「見ていなかった」という声も聞いていました。そこで、手にとってもらえるインビテーションカードを郵送することで、気づいてもらうだけでなく特別感も醸成できるかなと。実際はメールとの組み合わせでしたが、インビテーションが届いたあたりから申し込みも増えていましたので、申し込みの大きなキッカケになっていたのかなという印象です。参加者の中には、インビテーションカードを見て、わざわざ大阪からお越しくださった方もいらっしゃいました。
ギフティからはどのような提案があったのですか?
月岡さん:こちらのやりたいことやメッセージを理解して、多彩なアイデアを出してくれたました。自分たちにはない発想をもらえると同時に、方針がクリアになったと思います。提案では本当にユニークな案がたくさん出てきたんですよ。会社のロゴの形をした知恵の輪とか、走るぬいぐるみとか……(笑)。とにかくコミュニケーションを惜しまず、いろいろな提案をしてもらいました。
清水さん:最初はステーショナリーグッズにすることも社内で検討していたのですが、それではやはりインパクトに欠けます。デザインやグッズの組み合わせなど最後の最後まで非常に悩みましたが、最終的には「作品」と呼べるくらいのクオリティのものを用意できたと思っています。
ユーザーからの反応はいかがでしたか?
清水さん:大変喜んでいただけました。お配りしたその場で頭に乗せるような仕草をしてくださったり、画像と一緒にTwitterにアップしてくださったりといったリアクションを見られたので想いは伝わったんじゃないでしょうか。その他、イベント後のアンケートにご回答いただいた方にもプレゼントしました。今回のイベントはハイブリッド形式にしており、オンラインで参加してくださった方もいたのです。
社内からの評判も上々でいろいろな人から「ほしい!」とねだられました。「お客様のものだから」と断りましたが(笑)。
おみやげは楽しんで選んでこそ、ポジティブな気持ちが伝わる
ミエルカ事業部 IMCグループ マーケティングチーム 清水 綾乃さん
今後のユーザー会でもおみやげを用意する予定ですか?
清水さん:おそらく期待されているので、用意するつもりです。次回も高いクオリティのものを用意できるように頑張ります。といってもプレッシャーを感じているというわけではなく、おみやげ選びはとても面白かったですし、運営側も楽しんでやることこそが大切だと思っていました。おみやげを選んでいるときの明るい気持ちは、ユーザーの皆さんに伝わるはずですから。
おみやげを渡すという施策は、会員を集めてイベントを行っている他の企業にもおすすめしたいですか?
月岡さん:ぜひおすすめしたいですね。あらゆることがオンラインで完結してしまう時代だからこそ、手触り感のあるモノは大事になるような気がします。それを媒介として生まれたコミュニケーションも大事になるんじゃないでしょうか。
私たちが日々コミュニケーションをしているミエルカユーザー、つまりWebマーケティングに関わる皆さんは横のつながりや仲間を求めているんだと思います。さまざまなマーケターのみなさんのつながりの中心に「ミエルカ」がいたらいいですよね。
私たちは「ミエルカ」を“Webマーケターのライフライン”にしたいと考えています。多くのユーザーとの関係を深くし、新しい技を発見したり、解決すべき課題を発見する。それをプロダクトや機能として提供できれば、たくさんの価値を作れるんじゃないかなと。ユーザーとの繋がりを深く、強く持ち続けられるような施策は、今後も続けていきたいですね。