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インタビュー
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2022/08/16

預けてくれた時間の一部を、感謝の気持ちと特別な体験とともに従業員に返す

ギフトの役割の一つが、感謝の気持ちを伝えることです。それは個人間だけでなく、組織と組織、組織と個人においても気持ちをつなぐ。特にコロナ禍で従業員のリモートワーク化が加速していることで、物理的な距離が生まれてしまっています。ただ近くにいれば気持ちが伝わるかと言われれば議論する観点はあるものの、株式会社JTBコミュニケーションデザインの調査『ニューノーマルの社長との心理的距離調査』では、リモートワークによって社内で心理的距離が生まれていることを示唆しており、一つの要因としてとらえることはできそうです。

その中で、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は、勤続した社員に対して特別なギフトを用意しています。内容や渡し方についても、DeNAの「らしさ」を込めるためにその方法は未だ試行錯誤の最中にあるが、会社が社員を思う気持ちはそこにしっかりと表れています。勤続表彰のプロジェクトを率いる株式会社ディー・エヌ・エー スポーツ事業本部 組織開発グループ グループマネジャーの井上健太郎さん(以下、井上さん)に勤続表彰ギフトへの意義や思いを語っていただきました。

ターゲットユーザー
ターゲットユーザー
年代

20-50代
男女比

-
地域

-
利用ギフト
利用ギフト
体験ギフト
体験ギフトサーフィンやパラグライダーといったアクティビティから普段はなかなか行けない高級ホテルでのアフタヌーンティーや料理教室まで、さまざまな体験を通じてなにげない 1 日を特別にするギフトです。
課題
会社から従業員により感謝の気持ちを伝える方法を模索していた社内のコミュニケーション活性化のきっかけを探していた

奇跡のような20年を支えた社員たちの思い

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株式会社ディー・エヌ・エー スポーツ事業本部 組織開発グループ グループマネジャー 井上健太郎さん

井上さん: 「事業内容が手広くなってきたので、DeNAが何をしている会社なのかわからないという方も増えてきましたが、思いは創業時から変わりません。私たちはITを使って、人々にDelight(喜び)を届ける企業です」

そう井上さんは企業のビジョンを迷いなく口にする。 1999年にITベンチャーとして発足、10年後にはメイン事業の一つ『モバゲー』を誰もが知るSNSに育て上げ、2011年にはプロ野球チームの横浜DeNAベイスターズの運営を開始。同球団の運営を皮切りに、現在は川崎ブレイブサンダース(バスケットボール)やSC相模原(サッカー)への経営参画など、プロスポーツチームの運営を手掛けるようになり、その名はいよいよ誰もが知る企業となりました。現在では、ライブストリーミング、ヘルスケアに関わる事業も手掛けています。まるで奇跡のような時間を駆け抜け、DeNAは2019年に創業20周年を迎えました。その成長を支えたのは紛れもなく、DeNAとともに歩んできた社員たちです。創業間もないころは事業の将来性を信じない人もおり、「新卒での入社を揶揄(やゆ)されることすらあった」というが、社員たちは自らの力と事業の将来性を信じ、会社とともに歩んできました。

成果報酬とは異なる軸で、共に過ごした時間に対する感謝を伝えたい

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複数回にわたる取締役会でのプレゼンテーションを乗り越えて実現に至ったという

これからも社員とともに成長していくために、DeNAは20周年を迎えた年に新しい企画を立ち上げました。勤続表彰プロジェクトだ。共に道を歩んできた社員を称えてみようという試みが始まったのです。 所属部署に関係なく、プロジェクトは社内で有志の実行委員を募って進められることになった。真っ先に手をあげたのが井上さんでした。

井上さん:「当時はHRの担当だったので、業務に直接的な関係を感じていましたし、面白みもやりがいもありそうでした」

しかしながら続いて手をあげる社員はなかなか表れず、井上さんは直接、よく知る社員に声をかけてプロジェクトを動かし始めました。 プロジェクトを始動させるにあたり、最初の関門は勤続表彰にどのような目的をもたせてどのように実行するかを経営会議で発表し、役員の承認を得ることでした。比較的在籍する社員が若く、実力がある人はどんどんステップアップできる仕組みが整っているDeNAには、これまで勤続を称える習慣はありませんでした。実力がものをいう世界で「ただ長く在籍していることがいいことではない」という空気が醸成されてもいたのです。つまり、勤続表彰をするためには何か明確なロジックが必要だったのです。井上さんは頭を捻り、あるキーワードをみつける。

井上さん: 「勤続表彰は『感謝』を伝えるイベントにしたいと言いました。会社が続いたのは、長く働いてくれた皆さんのおかげ。だからこそ『ありがとう』の気持ちが伝わることをしようと思ったんです」

そこで感謝を伝えるギフトを選ぶ際、勤続表彰でよく用いられる現金や金券をまず除きました。

井上さん: 「DeNAでは、労働の対価として給与が支払われるという考えから、現金や金券類を渡すことはこの取り組みでは違うのではと考えました」

何かぬくもりを感じられるものを手で渡す方法を模索し、そしてディスカッションの末にたどりついたのが、体験ギフトカタログの授与でした。 体験ギフトとは、カタログのなかから自分の好みの体験を選び、それを実際に行うことができるというサービスです。日本ではソウ・エクスペリエンス株式会社が2005年にサービスを開始し、今やギフトの一ジャンルを確立しつつある。体験には乗馬やクルージング、陶芸など幅広いアクティビティが含まれ、好きなものを選ぶことができます。

井上さん: 「勤続表彰は従業員の方が会社と長い時間ともに歩んでくれたことに対して感謝を伝える取り組みです。そこで、体験ギフトカタログを渡すことで、会社に預けてくれた時間の一部を特別な時間としてお返しすることにしたんです。ギフトとともに休暇も付与することでこの意味合いは強まりました。これを機にいろいろな体験をしてもらうことで、社員の人生に彩りを添えることができればいいなと考えました」

DeNAで過ごす時間を第2の人生と考え、七五三や元服の年に勤続を称える

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コンセプトに合わせたパッケージは社内のデザイナーと協力してフルカスタマイズで作り上げた

勤続表彰の対象年もまたDeNAらしさがあふれている。通常、勤続表彰といえば、5の倍数が用いられることが多いが、DeNAは3年、5年、7年、14年、20年の年に表彰を行います。

井上さん: 「七五三の年と、元服の年、そして成人の年で表彰をすることにしました。人生になぞらえれば節目となりタイミング。DeNAで働く時間を、第2の人生として捉えてもらえればと考えたんです」

年数のカウントの仕方もユニークだ。育児休業中の社員も対象であるばかりでなく、一度離職して戻ってきた社員は在籍年数を積算します。

井上さん: 「共に働いてくれることへの感謝を伝えるためのプロジェクトなので、働き方は細かく問わないつもりです。さらにいえば、DeNAの社員は好奇心旺盛な人が多く、いろいろな体験をしたいと思っている。これは会社にとっても社員の人生にとってもいいことです。会社の外へ飛び出して数多くの体験を積み重ねていくことはやがて優れたアイディアを生むでしょう」

感謝を伝え合う仕組みづくりの挑戦

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従業員同士が感謝を言葉で伝えられるように寄せ書きを作れる台紙もギフトに同封していた

ギフトの渡し方はできるだけ感謝の輪をつなげる方法を考案しました。

井上さん: 「あらかじめ対象社員のいる部署の上長にカタログを渡しておき、上長自身や他の社員からメッセージを書いてもらうことにしました。当時はまだコロナ前だったこともあり、手書き・手渡しという手法にネガティブさはありませんでした」

一部の部署はこれを非常にはりきって行い、小さなセレモニーがあちこちで催されたようであります。しかしながら、多くの従業員に感謝を伝えようと、最初の年は対象の年を過ぎていた4年目や6年目の社員などにもギフトを渡したため、対象となる社員数が激増しました。正社員2,000名のうち500名に配ることができたものの、大量のギフトを渡すためのオペレーションに課題が残りました。

井上さん: 「ギフトを捌くことで手一杯になってしまったんです。それでもなんとか『感謝』の意味は持たせていきたいと、翌年からはテキストを打ち込むことで簡単に寄せ書きをつくれるサービスなどを利用しながら、感謝の気持ちを伝え合ってもらいました」

加えて、20周年以降継続した取り組みとなっていた勤続表彰だが、七五三の年の表彰は2年おきにまわってきます。対象人数が増えるにつれ感謝を伝える側も「ネタ切れ」に陥り、従業員同士でお祝いしやすい仕組みの必要性も強く感じました。

井上さん: 「お互いに感謝は伝えたいと思っているはず。ただ、気持ちを表現するギフトを用意しても、継続して贈り合うためにその仕組み作りから改めて考えていくことの大切さを学びました」

ハイブリッドな働き方が始まり、ますます高まるコミュニケーションの必要性

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今後は永年勤続だけでなく、ギフトを利用して会社と従業員との絆を作り上げていく取り組みを考えていくという

2020年からは新型コロナウィルスの影響で体験のための施設がクローズしてしまったり、体験先へ旅行できなかったりする事態が発生しました。

井上さん: 「それでも4割ほどの社員には体験を楽しんでもらうことができました。というのも、体験ギフトカタログの販売元であるソウ・エクスペリエンスさんに相談して、家でできる体験内容を選ぶよう呼びかけたことがよかったようです」

DeNAは2020年春の段階で社員のリモートワークを全面的に導入。これは一時的には、感染から社員を守るとともに、生産性をあげることにつながりました。しかしながら、本来リラックスや楽しみに興じるはずの自宅が仕事場になったことにより、社員の気分転換はしにくい状況に。体験ギフトはこの状況を打破するのにも一役買ったのではないでしょうか。 またコロナ禍が年単位で収まらないことがわかったときには、DeNAは状況に鑑み、物品購入など多様な形で感謝を伝えています。

井上さん: 「リモートワークが始まり、なかなか社員への感謝が伝えられない状況では、ギフトの贈呈は会社と社員をつなぐ貴重なコミュニケーションになっています」

一度は完全リモートワーク化したDeNAだが、リアルな空間が生む創造性の力強さにも気がつき、コロナの蔓延状況を考慮しながら、少しずつ出社を促しています。5がつく日は「ゴーゴーデー」と銘打ち、社員を会社に集めようとしています。

井上さん: 「一度慣れてしまった習慣を変えることは難しいものです。しかし社員の出社回数が減ったことで本社を移転・縮小できたので、このお金を何かコミュニケーションのために使えないかと考えています」

現在は感謝を伝えるためのイベントとして、母の日や父の日にギフトを使った施策ができないかと検討中だそうです。

井上さん: 「新型コロナウィルスの状況も刻一刻と変わってきているので、今後の方針はまだまだ見通せないのが正直なところ。けれど、それぞれの事業部が『感謝』の意味をそれぞれの頭で解釈して実行に移していくことができるようにサポートしていきたいですね。働くことの意味、よろこびを伝えられるようにしていきたいですね」

※本事例は、ソウ・エクスペリエンス株式会社の事例となります。

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