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2025/11/26

受け取り手の感動をどう生む?LayerX&ギフティが語る、オリジナルグッズで魅せるコミュニケーション

LayerX&ギフティイベントレポート

2025年11月、インハウスのコミュニケーションデザイナーやグラフィックデザイナーを対象とした交流イベント「Communication Design Night vol.8(通称、コムデナ)」がLayerXさんのオフィスで開催されました。

当日は、LayerXさんからは「Designship 2025」出展時のノベルティ制作の舞台裏が紹介され、ギフティからは、企業のブランディングや関係構築に寄与する“モノ”のギフトサービス「Swag(※)」について、具体的な事例とともにお話ししました。

本記事では、コムデナで語られた数多くのTipsの中から、その一部を抜粋してご紹介します。

※ロゴやコーポレートカラーなどその企業らしさが込められたオリジナルギフト。顧客や取引先、自社で働く従業員など、関係性の構築・維持・強化を目的に贈る特別なギフトとして活用されます。読み方は「スワッグ」

イベント会場の様子

「Designship」に今年はデザイナー総出で出展

東京・東銀座にあるLayerXさんのイベントスペースでは、コミュニケーションデザイナーやグラフィックデザイナーを対象に不定期で開催されているイベント「Communication Design Night」、通称“コムデナ”が行われました。

18時の開場とともに来場者が続々と訪れ、会場はあっという間に満席に。

イベントは、LayerX コミュニケーションデザイナーの野口茜さんの登壇からスタート。国内最大級のデザインカンファレンス「Designship」に、今年は同社デザイナー総出で出展した背景や、制作物の裏側、そこから得られた学びについて語られました。

株式会社LayerX コミュニケーションデザイナー 野口茜さん

株式会社LayerX コミュニケーションデザイナー 野口茜さん

野口さんによると、LayerXさんは毎年「Designship」に出展しており、今年は同社のデザインチーム総出でブースづくりに取り組んだといいます。

野口さんが所属するFinTech事業部だけでなく、他事業部のデザイナーも参加したことで、制作物には多様な視点が加わった一方、どうしても“個々の自由演技”に流れがちになる難しさもあったそう。そこで最初に着手したのが、制作の土台となる「コンセプト」づくりでした。

「私たちデザインチームには『+WOW!(プラスワウ)』というミッションがあります。当たり前の中にワクワクをプラスしていく。つまり、お客様や人との関わりの中で“心が動く瞬間”をつくる、という考え方です」(野口さん)

このミッションを軸に、今年のブースコンセプトは、ドイツの美術学校「バウハウス」をもじった「ワウハウス」に決定。そこから、来場者自身が“体験を通してワウを感じられる仕掛け”として企画されたのが、参加型の「1000本引きくじ引き」でした。

「何が当たるかわからないワクワク感に加えて、来場された方々が“自分の手でくじを引く”という行為そのものが『+WOW!』につながるのでは、と考えました」と野口さんは振り返ります。

「ワウハウス」のブース

「+WOW!」を目指し、6種類・約270点のノベルティを制作

コンセプトと企画が固まると、次に取り組んだのは、くじに当選した来場者へ贈るノベルティの案出しでした。その際も、まずは制作の軸として次の3点を明確に定めたといいます。

  • もらって“わくわく”できるもの

  • その場で身につけられるもの

  • 種類が豊富で、たくさん用意できるもの

この軸を起点に、予算や制作数の現実性を踏まえながらアイデアを検討。くじ引きという企画の特性上、複数種類の景品を一定数制作する必要があったため、小ロット発注に対応できる業者をリサーチし、最終的には3社へ制作を依頼したそうです。

さらに今回は、AIのフル活用も大きなポイントに。

GeminiやChatGPTを使ってイメージ案を生成することで、従来必要だった「モックアップを探す」「PSDデータを用意する」といった手間が大幅に削減され、ミーティングでもイメージ共有が格段にスムーズになったといいます。

こうしたプロセスを経て、6種類・約270点のノベルティが完成。イベント当日はブースが大きな人気を集め、2日間で用意したノベルティはすべて来場者へお渡しできたとのことです。

LayerX制作のグッズ

「ミッションやコンセプトに適宜立ち返りながら制作したことで、各グッズのデザインに一貫性が生まれ、満足のいくアウトプットになった」と野口さん

さらに今回の取り組みには思いがけない“副産物”もあったといいます。

たとえば、フルリモート体制では、事業部が異なるメンバー同士が会話する機会は決して多くはない中、今回の出展を通じて、これまであまり接点のなかったデザイナー同士が協働するきっかけができたといいます。

「また、デザインチームのミッションでもある『+WOW!』と改めて向き合えたことも、非常に貴重な機会でした。さらに、Designship当日に来場された方々と直接お話しする中で、自分たちが制作したノベルティへの“リアルな反応”をその場で感じられたのは、とても刺激的でした。そして何より、ノベルティのデザイン自体も個人的に納得のいく仕上がりで、皆さんに『+WOW!』を届けられたと実感しています」(野口さん)

企業の想いを形にする──ギフティが提案するSwagの世界

続くセッションには、ギフティの池田亜矢子さんと梅垣祐介さんが登壇しました。

池田さんはまず、ギフティがデジタルギフトを祖業としながらも、近年はデジタルにとどまらず“モノ”のギフト領域でも2つのサービスを展開していることを紹介。その1つが、池田さんがマネージャーを務める「STUDIO GIFTEE」です。

このチームは、企業のブランディングや、企業と顧客・従業員との関係性をより深めるための“ギフト体験”をデザインする専門チームです。「Swag(スワッグ)」と呼ばれるオリジナルギフトを中心に、企業が伝えたい価値や想いを“体験”として届けるお手伝いをしています。

株式会社ギフティ STUDIO GIFTEE Manager 池田亜矢子さん

株式会社ギフティ STUDIO GIFTEE Manager 池田亜矢子さん

もう1つ、ギフティが“モノ”のギフトとして提供している領域がアパレル。こちらを担うのが、ギフティグループのpaintory。同社では、上質なオリジナルアパレルを1着からオンデマンドで制作できるサービスを展開し、企業のブランド表現の幅を広げています。

株式会社paintory(ギフティグループ)Corporate Apparel事業部 Manager 梅垣祐介さん

株式会社paintory(ギフティグループ)Corporate Apparel事業部 Manager 梅垣祐介さん

池田さんによると、現在ギフティが注力しているのが「Corporate Gift(コーポレートギフト)」と呼ばれる市場です。海外では既に大きなマーケットが形成されており、企業が“お客様”や“従業員”に対して、関係性の維持・構築・強化を目的に、感謝の気持ちを込めて贈るギフトのことを指します。

その活用用途は主に3つあるといいます(図版1)。

図版1

図版1。Corporate Gift の主な活用領域は、BtoB・BtoE・BtoC(ロイヤルカスタマー)の3カテゴリが存在する

さらに、このCorporate Giftでよく贈られるギフトコンテンツも大きく4種類あると解説します(図版2)。

図版2

図版2。贈り先との関係性やオケージョンによって使い分けがされている

たとえば、STUDIO GIFTEEが扱うSwagとは、企業のロゴやブランド要素をあしらったオリジナルグッズのこと。その内容は、有名メーカー・ブランドとのコラボギフトや、全国の“上質なものづくり”を行うファクトリーメーカーと連携して制作するオリジナルギフトなど、多岐にわたります。

「さらに弊社では、“企業様のサービスのストーリー”や“受け取った方にどんな気持ちを届けたいのか”といった想いをしっかり汲み取り、そのこだわりをSwagに反映させてお届けしているのが特徴ですね」(池田さん)

企業の想いをSwagに落とし込み、成果につなげた5社事例

続いて、ギフティのセッションです。Swagやアパレルを通じて、顧客や従業員との関係性を深めることに成功した企業の事例について、池田さん、梅垣さんより紹介されました。

1.マネーフォワード様──オンラインでも“リアルと同じ熱量”を

最初に紹介されたのが、マネーフォワード様の取り組みです。同社がユーザーを対象に開催したオンラインイベント「決算お疲れ様会」。経理担当者にとって決算期は一年で最もハードなタイミングであり、そんな皆さまに「本当にお疲れ様」という気持ちを贈りたい——。その想いから、ギフティは“「おつかれさま」のキモチを伝える乾杯ギフト”を企画しました。

ギフトの内容は「オリジナルラベルのクラフトビール&ジンジャーエール」「ビア缶の形をした特製グラス」「おつまみ」という、オンラインでもみんなで一緒に“乾杯を楽しめる”内容。さらに、箱を開けた瞬間に気持ちが高まるよう「The good times start here!(ここから楽しい時間が始まるよ!)」というメッセージを添えて演出しました。

「オンラインイベントは、どうしても“ながら参加”になりがちです。しかし担当者様からは、『リアルで会っているかのような手触り感と一体感をつくりたい』という強い想いがありました。その想いをギフトでどう形にするか——そこに挑戦したのが、今回の取り組みでした」(池田さん)

2.三井不動産様──“制作秘話”というSwagのストーリーも盛り込む

続いて紹介されたのが、オフィスビル事業を展開する三井不動産様の事例です。同社では、多様な働き方を応援するため、2018年から「COLORFUL WORK」をスローガンに掲げ、ひとりひとりの多様な働き方を応援するオフィスライフの提供を目指しています。

ギフティが支援したのは「働く人の1日に寄り添うギフト」をコンセプトにしたSwag制作。働く人の気持ちが自然と上向くように、スペシャルティコーヒーとタンブラーのセットをご提案しました。

特にユニークなのは、コーヒーの“時間帯別ブレンド”です。朝は「キリッと目が覚めるようなブレンド」昼は「リラックスと集中を両立する優雅なブレンド」夜は「やさしい味わいのデカフェ」と、働く1日のリズムに寄り添う3種類のオリジナルブレンドを制作。さらに、三井不動産様社内のコーヒー好きのメンバーを集め、オリジナルブレンドの試作体験会を実施したのです。

「体験会で実際にブレンドしたコーヒーを、“渡す側”の三井不動産様自身が『この間、オリジナルコーヒーづくりの体験をしてきたんです。おいしいので、ぜひ飲んでみてください』と話せるようになったことで、ギフトに制作秘話が生まれました。これが、お取引先様との自然なコミュニケーションのきっかけにもなっていたようです」(池田さん)

3.Sales Marker様──言葉遊びからサービス訴求につなげる

Sales Marker様では、アウトバウンド型インサイドセールス(BDR)施策として、リード顧客や契約更新を迎える顧客に向けてギフトを贈る取り組みを実施。そのギフトを、単なる贈り物ではなく“サービス理解につながる体験”へと昇華させたのがギフティのSwagでした。

ポイントとなったのは、同社のキーワードである「インテントセールス」。この「イン」と「テント」をかけ合わせて、“イン(in)・テント(tent)”=アウトドア体験という遊び心あふれるコンセプトに。そこから、アウトドアで楽しめるスペシャルティコーヒー×マグのセットを提案しました。

そして何よりこだわったのが、パッケージのポップアップ。「テントに人が入っているよう、立体的にしたい」とのご希望から、手貼りで立体感を再現したといいます。

相手の状況を丁寧に観察し、ストーリーを描き、開封から使用までの体験を設計する。こうした工夫によって、Swagを通じて“体験”と“印象”が残り、サービスへの理解も自然と深まっていくのだと思います」(池田さん)

続いて梅垣さんが、上質なオリジナルアパレルをオンデマンド制作できるpaintoryならではの事例を、制作の裏側やこだわりポイントなども交えながら紹介しました。

4.三菱UFJフィナンシャル・グループ様──試合の“観戦体験”をよりrichに

paintoryの最初の事例として紹介されたのが、三菱UFJフィナンシャル・グループ様です。同社では複数のスポーツ協賛を行っているものの「いかにして、より多くの社員にMUFGが関わるイベントに関心を持ってもらうか」という課題を抱えていました。

そこでpaintoryでオリジナルアパレルを制作したのに加え、同社サービスでは追加料金なしでECサイトを開設できるため、今回は社員限定のECサイトを用意。試合関連グッズを観戦前に購入できるようにし、結果、足を運んでくれた社員が楽しめる仕組みをつくれたといいます。

このプロジェクトで印象的だったエピソードとして、梅垣さんはアパレルの「刺繍」の話を挙げます。

「特に大変だったのがロゴの位置です。MUFGさんのロゴは、中心の円から波紋状に広がるデザインで、刺繍でも中央の位置がズレてはいけなかった。この、丁度真ん中に刺繍する、というのが案外難しい。でも実はこれ、先に外側の波紋のあしらいを刺繍して、最後に真ん中を刺繍するとうまくいって......その結果、先方にもご納得いただけました」(梅垣さん)

5.MIXI様──段位パーカー、グラデーションあるロゴをどう再現したか

MIXI様が運営するスマートフォンゲームアプリ『共闘ことばRPG コトダマン』(以下、コトダマン)。同タイトルは2023年4月に5周年を迎え、これまでコトダマンを愛し支えてきたユーザーの皆さまへ感謝を届けるオフラインイベントを開催しました。

そして「普段とは違う特別なグッズを届けたい」という想いのもと、制作されたのがゲーム内の“段位”(プレーのやり込み度を示す指標)エンブレムを刺繍した「段位パーカー」です。1,100段到達者にはプレゼントし、それ以外の段位のパーカーについてはイベント当日に販売する形にしました。

この段位パーカー制作において、梅垣さんは“刺繍のグラデーション再現”が印象的だったと振り返ります。

「刺繍で再現できる色数には制限があります。そこでまずは一度、ロゴを塗り絵のように分解し、その後、刺繍にしてみました。しかし、ロゴ通りの色を刺繍糸に置き換えてみると、紙やWebで見る色よりも、刺繍にするとかなり薄く見えてしまったんです。そこで、刺繍で最も映える色を改めて探し直し、最終的には先方のデザイナー様にもご納得いただける仕上がりになりました」(梅垣さん)

熱気あふれるデザイナー交流会がスタート!

これにてLayerXさん、ギフティ双方のセッションが終了。交流会がスタートしました。

交流会の様子

交流会では、ブースコーナーに参加者が持ち寄った多彩な作品が並んだ

また、今回はギフティが制作した“コムデナ特製ワッペンホルダー”と、オリジナルギフト「pass the flower」が来場者全員にプレゼントされました。

コムデナ特製ワッペンホルダーとpass the flower

コムデナ特製ワッペンホルダー(左)と、ギフティのオリジナルギフト「pass the flower」。中には立体的な花のPOPと複数のギフトカードが入っており、同僚などにひと言気持ちを添えて贈れるようになっている

さらに、ギフティが用意したコムデナオリジナルドリンクも交流会で振る舞われ、それを飲みながら、参加者らが思い思いに交流を楽しむ一夜となりました。

コムデナオリジナルドリンク

コムデナオリジナルドリンクもギフティ提供が振る舞われた

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